#34 OTOGIKI LAB. 第22話「「行列のできるお団子屋さんで僕の人生が変わった」※ポッドキャスト文字起こし
尾中:川田さんは前職とかあったんですか?
川田:いや僕ね、ずっとフリーなんすよ。就職したことなくて。ろくでもないなと思ってるんですけど。
尾中:いやいやいや。あ、そうなんすか。
川田:学生時代ずっと音楽やってたんですよ。合唱部入って、そのあとハモネプって、
尾中:はいはい、分かります。
川田:あれ、あれずっと出てて、アカペラやってたんですよ。
尾中:へえー。
川田:で、声使って人に喜んでもらえる仕事がいいなと思って。
尾中:おお、おもろい。
川田:で、こう、喋る仕事にいったっていう。こう、なんか結構全部ぬるっといってるんで。
尾中:音聞(おとぎき)じゃないですか。
川田:音聞(おとぎき)っすね(笑)。「ミスター音聞」なんすかね。
尾中:聞かせてたわけですもんね、音を。
川田:おお、聞かせてたとか、聞かされてたのかもしれないですけどね、みんなね(笑)。
尾中:誰一人頼んでないのに(笑)。
川田:誰も頼んでないのに(笑)。そう、押し付けてた。押し付けてた可能性ありますけど。そうなんですよ。だからまあ、そうやってフリーから始まったのでね。
尾中:ああ。
川田:でもね、今日ね、僕すごい会うの楽しみにしてて。
尾中:はい、ありがとうございます。
川田:そもそも、歳もすごい近いですよね。
尾中:もう一回精密チェックしたら、学年、何月生まれですか?
川田:僕90年の5月生まれなんですよ。
尾中:あ、学年一個下ですわ。
川田:あ、じゃあ89年?平成元年?
尾中:僕からはタメ口で、ほんで敬語使ってもらっていいですか?
川田:なんでそんなマウントとるんですか?(笑)こんな些細な。もう35、6の1年なんかもう誤差でしょ。
尾中:そう、そう(笑)。
川田:そんな、そんな体育会バチバチでやるんですか、今日の音聞ラボ。
尾中:いや、あの、はい、あの、冗談です、あの、はい(笑)。
尾中:いやいや(笑)。
川田:ということで今日はそんなサイレントボイス代表理事の尾中友哉さんに来ていただきました。
尾中:よろしくお願いします。
川田:おねがいします。急なトーンの変化にちょっとついていけなくなりましたけど。いや、そうなんですよね、まあ音聞ラボって音の実験室で今までも来てるので、もう今日もね。もうサイレントボイスって言ったら、以前もね、こう繋がりはうちの番組、
尾中:そうですよね。
川田:ね、ありますので。私が代表で、彼が事務局長をね、あの、やってくれている井戸上君っていう。
尾中:井戸上さん。
川田:出演させてもらったと思いますね。
尾中:はい。でもでもね、なんか今日そのお会いするの楽しみにしてたのは、もう実際のね、そのお人柄だけじゃなく、まあプロフィールも面白いし、その、今日サイレントボイスのホームページも見させていただいたんですよ。もうやってるプロジェクトが面白すぎて。
尾中:おお。
川田:何?って。あ、その陽気な人柄はもう十分伝わってます(笑)。X、見させていただいて。
尾中:はいはい。
川田:あの、なんかこう、3つに1つぐらいは、あの、ちゃんとした告知もあるんですよ。
尾中:はいはい。
川田:「情熱大陸」見てくださいとか。でも3つに1つくらいなんかダジャレ言ってて。
尾中:ダジャレって、はい。
川田:ダジャレって、誰も言ってないダジャレ見つけたってちょっと発掘、
尾中:発明、
川田:発明感あって、嬉しくなってきちゃいません?
尾中:何を真顔で言ってるんですか(笑)。何をそんなキリッとした顔で(笑)。
川田:川田さんが言ってくれたから。
尾中:あ、いや、ま、布団が吹っ飛んだ的なね、これはやっぱ手垢ついてるのいっぱいありますもんね。もう確かに全部出尽くしてる感じありますね。
川田:そうなんすよ。だから、欲しいものリスト、をなんか整理してくださいみたいに言われたんですよ。
尾中:どういう仕事してるんですか?
川田:NPOやってたら、欲しいものリストでご寄付していただくとかあるんですよ。
尾中:あ、欲しいものね、はいはい。
川田:欲しいもの、ほんで、あ、今まさにお気づきだと思うんですけど、僕がパソコンでじゃあ欲しいものリスト作ろうと思ったら、あの「干し芋」。
尾中:はい。
川田:芋を干したやつ(笑)。
尾中:それ、それのリストみたいなのが検索で出てきて。
川田:はいはい。
尾中:はい。
川田:で、それ、たぶんこれ誰も踏みしめてない、干し芋ダジャレのところに降り立ったな。
尾中:フワフワの新雪の大地(笑)。まだ、誰の足跡もついてない。
川田:いい音するやつ。
尾中:欲しいもの、干し芋(笑)。
川田:という、尾中さんが今日のゲスト。という人ではない(笑)。という、ダジャレの専門家なんですかね。いや、ちょっと、プロフィール教えていただいていいですか?今のところ陽気な36歳という情報しかないので。
尾中:今、芋好き(笑)。
川田:と、
尾中:私はですね、滋賀県大津で生まれて、今はもう大阪で仕事して長くなってますけれど、認定NPO法人サイレントボイスという、聞こえない子供たちの教育事業を主としたNPO法人を運営してます、尾中と申します。
川田:よろしくお願いします。
尾中:おねがいします。
川田:急なトーンの変化にちょっとついていけなくなりましたけど(笑)。いや、そうなんですよね。そもそもサイレントボイスってざっくり教えていただいていいですか?
尾中:そうですね。ま、元々は、えっと、僕、両親が耳聞こえなかったんですね。
川田:はい。
尾中:で、ま、一緒に暮らしてて、ま、家族の中に、いわゆる障害があったかって言うと、父と母と僕の間に壁なんてないわけですよ。もう、おとんは、野球うまいし、ほんでサウスポーやし、もう、かっこええ。
川田:かっこええ。かっこええっすね。
尾中:なんかサウスポーって特殊感あるじゃないですか。希少性。
川田:確かに。かっこいい。輝いて見えますね。
尾中:そうっすよ。ほんで、もう、おかんはおかんで、なんやろ、料理うまかったりとか。ま、両親の力を、僕は実感しながら、ま、育ててもらったっていうか、育った、ですよね。ただ、一歩社会に出ると、
川田:はい。
尾中:もう、その,両親の力は、コミュニケーションの壁によって封殺されちゃうわけですよ。
川田:耳が聞こえない。。。
尾中:そうですね。で、僕が間に入らないとコミュニケーションが取れなかったりとか。ほんで両親もこう、ほんまは思ってることとか、こうできるみたいなのが、あるけれど、もう聞こえる人ね、もう親戚の会とかでも起きるわけですよ。もう、親戚は聞こえる人ばっかりなんで、結論しか聞かせてもらえないとか。
川田:あ、そっか。こう、議論に入ることができない。
尾中:そうですね。だからプロセスが分かってたら、なんかいいアイデア出すかもしれないし、
川田:あんなすごいお父さんとお母さんやのに。
尾中:サウスポーやのにね。
川田:サウスポー(笑)やのにね。ま、親戚の会議でサウスポー活かせることなかなかないですけど。え、でもそういうことをやっぱ、ちっちゃい時は感じてた?
尾中:感じてましたね。もう、それは明確に原点で。ま、かつ、時代の流れ的に、ね、川田さんも近いと思いますけど、平成元年とか、2年ですよね、きっとね。
川田:はい、はい。
尾中:もうそん時って、生まれたての時ってまだパソコンって一部の人しか使ってなかったりとか。
川田:僕らが5歳の時にWindows95がね、ブームなりましたからね。
尾中:そうですよね。で、学校とか、小学校でもギリギリパソコン教育ありましたよね。
川田:ありましたね。小学校5年生くらいでね。
尾中:そうですよね。一太郎とかでね(笑)。
川田:一太郎(笑)、タイピングのね(笑)。今やGoogleドキュメントなんてね、グの字もなかった時代に。
尾中:一太郎ね、ありましたよね。
川田:ありましたね。
尾中:あ、そういう、平成やったと思うんすよ。ほんで、やっぱりその平成の初期、そういうの無かったんで、うちの家族って出前とかとったことないわけですよ。料理を持ってくる出前ね。
川田:おお。
尾中:で、これってなんで?って、電話が主流やったからなんですよ。
川田:なるほど。
尾中:だから聞こえる人の文化というか特権やったんですよね。
川田:はあー。で、そんなん僕、無意識でした。
尾中:今どうなってるか。おかん、誰とも会話、声の会話をせず、Uber Eatsで頼めるじゃないですか。
川田:お、確かに。
尾中:はい。だからできないことできることが、めっちゃ変わったっていうのも平成なんんですよ。
川田:この30年で。へえー。
尾中:はい。で、僕が社会に出た時に、やっぱり聞こえない人の力って、もっと社会に流れ出てたりとか、ま、あるいは、ま、それを本気でやろうと思った時に、もう気づいてもらったんですよ。えっと、発揮できる力があるし、聞こえない人たちのコミュニティの中で、ま、やっていける人もいるけれど、ま、そこをこう改善していこうと思った時に、教育の時間にこそ、孤立があったりとか。
川田:うーん。
尾中:チームワーク求められるじゃないですか。
川田:はい。
尾中:でももう、ろう学校とかやったら、もう田舎の方行ったら、同級生3人とか。
川田:はあー、なるほど。
尾中:3人のチームワークもありますけど、
川田:ま、そうですよね。本来、社会性を学ぶには、もう10人、30人のグループワークで学ぶことって結構多いですもんね。
尾中:そうよね。聞こえる人はそこの環境に、まあなんていうんですかね、あんまり考え持ってなくても当たり前にありつけるじゃないですか。そういう状況じゃない。そこの違いとかが社会人になって、やっぱズレになっていたりするという、教育の方にどんどん、どんどん、興味が湧いてきて。
川田:へえー。それはおいくつか、いくつの時に思ったんですか?
尾中:最初はね、だから聞こえない人の活躍を増やしたいっていうので、スタートしたのがもう最初で、もうそれは2014年ぐらいから任意団体でやってたのを2016年に法人化して。
川田:へえー。
尾中:はい。
川田:だから新卒で大学を出られて、広告代理店に入って、で、そこから数年後にそういう思いで立ち上げて。
尾中:そうっすね。なんかね、会社で働いてて、まあいい人ばっかりやったんで、悪く言うつもりはほんまにないんですけど、あの、何のために働いてるんかな、みたいな問いをもう持ってしまって。
川田:はあー。1回それが浮かび上がっちゃうと。
尾中:そうなんです。もう何のために生きてんのかなとかになっちゃって。で、僕とか、ちょっと想像しがたいと思うんですけど、あの、日本語より先に手話を覚えて育ってるんですよね。
川田:あ、あ、その家庭で。へえー。
尾中:そう。おじいちゃんおばあちゃん聞こえる人やったんで、あの、日本語、トモヤって言うんですけど、日本語覚えさせなあかん、大変やいうことで、おじいちゃんおばあちゃんが頑張って日本語を教えてくれて。
川田:で、お父さんお母さんは、
尾中:手話、手話でやっていくみたいな感じやったことも、もう社会人に行った時は、第一言語、母語っていう、自然獲得した言語は手話なんですけど、第一言語は日本語なわけですよ。
川田:はい。
尾中:ほんで、もう聞こえる人との付き合いの方がもう増えていったから、なんか両親のこととか僕のなんかそういうこう生い立ちみたいなことをあんま考えずに社会に出てって。で、その時に何のために生きてるんやろってなって、である日、街中でたまたま、久しぶりに手話使って困ってる人を助ける経験をするんですけど、
川田:道案内的な、
尾中:なんかね、お団子屋さん、めっちゃ人気の。
川田:ほう(笑)。
尾中:ほんでみんな列並んでて。僕ももう、人生悩んでる人間が一番後ろに並んだりしてたんですけど、
川田:お団子食べようと(笑)。
尾中:お団子食べようと(笑)。あんま悩んでなさそうですけどね。
川田:陽気にお団子食べようと。
尾中:悩んでる人もお団子食います。
川田:お団子食べる、失礼しました(笑)。
尾中:一個一個、こう考えながら。ほんで、もう真ん中くらいきて、ほんでレモン団子が名物なんですよ。
川田:ほう、おいしそう。
尾中:で、真ん中くらいきて、もうあともうちょっとやねんと思って、ほんで、あともうちょっとの時にもう列が動かなくなって5分くらい経ってるわけですよ。で、一番前見たら、もう店員さんが声張り上げて、もう「レモン団子は名物なんですけど、みたらし団子のあんがレモン団子につくから、ラップで包めますかーーー!!!」みたいな感じで叫んでて。
川田:もう(笑)、フィジカルで伝えようとして。何が起きてるんやと。
尾中:うわーーー!!!みたいになってて、ほんで僕も前見て、一番前のお客さんどんな人やろと思って、呼吸聞いた瞬間分かりましたもん。耳聞こえへん人やって。
川田:呼吸で分かるんですか?
尾中:呼吸で分かるんですよ。うちのおとうちゃんとかも、怒った時に、要は聞こえない人って自分の発してる音も聞こえないわけですよ。
川田:はあー、なるほど。
尾中:そうするともう、気持ちがテンパってくると、呼吸音っていうのがすごい特徴があるんですね。一番前の人それになってて。で、僕、もうスルスルスルって体出てって、ほんで、もう通訳して。
川田:はあー。
尾中:ほんで、元々いた真ん中にいたでしょ。元々いた場所に戻ろう思ったら、後ろのおっちゃん、なんか一歩詰めてて(笑)。
川田:みんな(笑)、そんなんお団子食べたかったんや。
尾中:みんなも焦ってるから(笑)。戻る場所ないやんと思って。なんか一日一善やったつもりやけど一番後ろに並び直しやった。
川田:並び直したんですか?いい人やな。
尾中:ええー、俺、とか思ってたら、肩トントン叩かれて、「さっきはありがとう」言うてその一番前の聞こえない人。手話で。
川田:手話で。手でトンと。
尾中:「さっきはありがとう」言うて、お団子くれたんです。
川田:へえー。
尾中:みたらし団子の方でしたけどね。
川田:レモン団子ちゃうんかい(笑)。名物。名物はやっぱ自分で食べたいから。
尾中:でも言わへん、言わへん。さすがに言わへん(笑)。ええー、いや、それがやっぱ人生変える、体験というか。そん時だから、広告代理店就職、最初の就職してね、もう人生悩んでる時じゃないですか。そこで蓋開いたんですよ。自分って何で手話できんのやろ、とか。
以上
0コメント