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川田:「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」音の実験室へようこそ。川田一輝です。皆さん知ってますか? 野球で審判が出すアウト、セーフのハンドサインって実は、 耳が聞こえないメジャーリーガーが現れたことによって、その人がちゃんとその指示を見られるように始まったそうです。ただ、これが耳が聞こえない人だけではなくて、観客も試合の進行を見やすくなった。エンターテイメントとして野球がもっともっと盛り上がるきっかけになったとも言われているんです。このことを教えてくださった方、今回の素敵なゲストにこの後、登場していただきます。

それでは「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。さっそくゲストの方をご紹介しましょう。NPO法人サイレントボイス事務局長の井戸上勝一さんです。よろしくお願いします。

井戸上:よろしくお願いします。

川田:井戸上さんって初めてお会いする名字です。

井戸上:奈良に200人ぐらいしかいない名前らしくて。

川田:奈良ご出身ですか。井戸さんとかいますけどね。お年おいくつですか?

井戸上:今年で29になります。

川田:96年生まれ? 若いですね。ちょっと長髪で、すごいフレッシュな感じもするんですけど。日焼けもされてて、そこら辺の話も聞きたいんですが、まず簡単に自己紹介お願いしてもいいですか?

井戸上:はい。改めまして、NPO法人サイレントポイスの井戸上と申します。普段は大阪の谷町六丁目に拠点を構えて、聞こえない子供の教育事業をやっていたりします。聞こえない方の働く職場に対して、聞こえる人と聞こえない人がともに働きやすい環境ってどうやったら作れるんだっけっていう研修事業をやったりというのがNPO法人サイレンボイスの活動です。株式会社の方では、逆に聞こえない人の周囲にいる聞こえる人たちの認識を変えるような取り組みっていうところで、声を使えないホテルのコンセプトを考えるお仕事したりとか、声を使わないボードゲームを作ったりだとか、こう見たりとか、体を動かすっていうことの面白さとかを、いろんなツールを使いながら世の中に伝えるような活動とかをしています。

川田:サイレントボイスはNPO法人としても活動されてるし、株式会社としても活動されている。その声とか耳とかに向き合ってこられたというのがよくわかるんですけど、その話を聞く前に、まず井戸上さんがどんな人か聞きたいんです。ちょっと日焼けもされてるんですけど、スポーツお好きなんですか?

井戸上:はい。小学校一年生からもう大学までずっと野球をやってました。

川田:野球をされてたんですね。プロフィールを拝見してたら、ガチで本気で結構すごいチームでされてたんですね。

川田:高校は別に強い学校に通ってたわけではなく公立高校に行ってたんですけど、中学時代に入ってたクラブチームがすごく強くて。同級生に巨人で四番を打ってる岡本君がいたり、先輩にもプロ野球選手が何人かいたりとか。

川田:へー! そこで、ポジションは?

井戸上:八番ライト。「ライパチ」ってやつですね。ギリギリ試合に出させてもらってたサブキャラでした(笑)

川田:謙虚な方っていうのはわかりました! 野球をずっとされてて、どんな少年時代からこうなったかっていうのをちょっと聞いてもいいですか。

井戸上:耳の聞こえないとか聞こえにくい人たちに関わる取り組みに携わる大きなきっかけになったのは、僕の両親が2人とも聴覚障害のある当事者だったということがすごく大きいです。父親に関しては視覚障害もあるので、そういう方々は盲とろう、合わせて盲ろうって言うんですけども、母親はろうで、父親は盲ろうなんです。それぞれコミュニケーション方法が違うんです、家庭の中で。

川田:手話も見えないってことですよね。そこの家庭で生まれて、僕たちとはなんかちょっと違う幼少期だったと思うんですよね。コミュニケーションとかだって、パパママって呼んでも振り向いてもらえないってことですよね。

井戸上:はい、そうですね。僕も母親の話を聞くと、ちっちゃい頃の一番最初に喋った言葉なんだったみたいな話をした時に、他の聞こえるご家庭だと「パパ」とか「ママ」とか。分かりやすい単語だと思うんですけど、僕の場合、「喉を触って喉が渇いたっていうことをジェスチャーした。これがあなたが最初に私に発した言葉だよ」っていうことを母親が言っていて。

川田:そっか! もうジェスチャーも言葉なんだ。

井戸上:ちっちゃい頃のホームビデオとか見返していると、その当時やっぱ手話とかもまだ日本語も全然わからなかった時でも、なんとか両親に伝えようとして体を目いっぱい動かしている自分が映像に映っていて、わからないなりにもどうやったら相手に伝わるんだろうっていうことを、ちっちゃい頃から多分自然と考えるような境遇で生きていたのかなっていうのは思いますね。

川田:なるほど。もう「言葉」っていうのも伝える一つの手段っていうことなんですね。

井戸上:そうですね。

川田:ジェスチャーとかで伝えても、お父さんはそういった喉を触るのもちょっとわからないですよね?

井戸上:そうですね。父親の視覚障害自体はかなり後天的にどんどんと視野が狭くなってきたりしたっていう部分もあるんですけど、今コミュニケーションするときは、手話は見る言語ですけど、触手話は触る言語なので、手話を手で触って手の形で理解をするんです。

川田:イメージで言ったら、握手に近いような形でコミュニケーションする?

井戸上:おっしゃる通りですね。なので、僕の中ではかなり触れるコミュニケーションの面白さっていうのも体の中には残っていて、例えば父親と一緒に外歩くときに、特に暗い場所だとほとんど見えなくなるので、僕の肩を持って一緒に歩くんですけど、肩を持ってるだけなんですけど、そこにすごいいろんなコミュニケーションが含まれていて、例えば手がすごく強く押されたりすると、「あ、今なんか急いでるんだな、焦ってるんだな」みたいな感覚がそこから伝わってきたりとか。あとは手がちょっと重くなってきたりすると、「あ、なんか疲れてて眠たいんだろうな」とか。何か表出して言葉に出したり、声に出したりしてはいないけども、触れるところからすごいいろんな隠せない言葉みたいなのがすごくたくさん伝わってくるっていうのも触手話の面白いところです。

川田:ただ触るとかだけじゃなくて、そこには情報がいっぱい詰まってる。確かにね、この子好きやなって女の子ずっと観察して、今どういう思いなんやろうなって考えることがありますけど、 やっぱ触れ合ったらわかるんですね。

井戸上:そうですね。だから小学生の頃とかに、社交ダンスみたいな授業があった時に、ちょっと隣の女の子の手を触った瞬間にすごいドキッとするというか、いろんな情報がそこから伝わってきてしまうし、伝わってしまう。

川田:だからドキドキするんだ、バレちゃうみたいな気もあって。面白い!

そもそものコミュニケーションっていうと僕らはついつい視覚優位で見てしまったりとか、言葉でこうやってお話しするけども、いろんな方法でコミュニケーションを取れるっていうのが、もう小さい頃から身についてるんですね。

井戸上:そうですね。何か意図したわけでもなかったんですけども、両親とともに過ごしている中で、家族の中で何かを共有しようと思うと、そういうものが自然と溢れ出てたかもしれないです。

川田:今こうやってお話をしてて。その言葉ってどなたに教わったわけなんですか?

井戸上:僕の 家が6人家族でおじいちゃん、おばあちゃんが聞こえてました。姉も聞こえてました。父と母だけが聞こえなかったので、おじいちゃん、おばあちゃん、姉から日本語を教わり、父と母からは手話、身体言語を教わる。家の中で50%ずつくらい手話と日本語っていう言語が共存しているような境遇で幼少期を過ごしてました。

川田:きっとね、大変だったこともいっぱいあると思いますけど、そう伺うとすごい。なんていうか、贅沢な環境というか。

井戸上:おっしゃる通りですね。

川田:いろんなコミュニケーションを学んだ。そこから野球を始めて。結構名門のクラブチームでやるぐらい打ち込むんですよね。僕の勝手なイメージだと、少年野球って親がめちゃくちゃサポートしなきゃいけない。お弁当を持っていったり、応援行ったりとか。そういうのも結構、ご家族のハードルあったんじゃないかなって。

井戸上:そうですね。そこが一番しんどかったというか。あの見ててグッとくるところが多くありましたね。

お茶当番とか、僕の小学生の頃とか、まだまだ残っていたので。母親、父親が来た時に、やっぱり周りの人とコミュニケーションが取れない様子があったりだとか。一番印象に残ってるのは、父親だけがずっと野球の練習にも試合にも来てくれなかったんですよ。あの小学校1、2年、3年生ぐらいまで。

川田:嫌いなんですか?

井戸上:野球嫌いなんかなと思ってたんですけど、ある瞬間から来始めたんですよね。そのきっかけが、僕の仲良かった友達のお父さんがすっごいいかつい、背中に竜の刺青とか入れてるような、そんな人やったんですけど。

川田:アハハ、ちょっと今日のゲストには呼べない(笑)

井戸上:ちょっとダークな感じの見た目なんですけど、そのお父さんが僕の父親とお話をしてみたいっていう理由で手話の本を買って、指文字を覚えて、自己紹介して、なんとか自分のことを伝えられるように準備してくれた。急にそういうシーンが出てきた時に、父親が後ではっきりと話してたんですけど、今までずっと高校までろう学校に通ってたし、社会人になっても障害者雇用の中でろうの人たちに囲まれて過ごしてきた。あるいはその文化、国の中で過ごしてきた中で、 聞こえる人のことをどこか外国人やと思ってた。それぐらい距離の遠い。

川田:国境があるぐらい。海の向こうみたいな感覚があるんですね。

井戸上:そうなんですよ。同じ人間でも言語が違うっていうことは、それぐらい他者と何かを共有するのが難しかった。その中で初めて手話で自分に語りかけてくれたその人の存在を見た時に、同じ人間なんだって初めて思えたっていう話を、高校生ぐらいになって父親からふと言われた時に、幼少期の頃、もちろん父親がそんなこと思ってるって考えもしなかったですけど、それぐらい壁でありハードルっていうものがそこには存在していたんだなって。

川田:息子が頑張ってる野球は応援したいけども、異文化すぎて、もうそこに行くのもちょっと怖いというか、馴染めない。でもその友達のお父さんの歩み寄りというかコミュニケーションで、心の扉

がバッと「開国」したんですね。

井戸上:そうですね。だから、その一連のシーン見た時に、やっぱり人は見た目じゃないなっていうことを身に染みて思いましたね(笑)

川田:コミュニケーションは言葉だけじゃないし、人は見た目だけじゃない。いろんな学びが10代に詰まってたんですね。わあ、ちょっとグッとくるな。で、そこから今のお仕事のサイレントボイスにもきっとなんか繋がってる気がするんですよね。声のコミュニケーションができない方、耳が聞こえない方と。なんていうんですか。健常者と言っていいんですか、こういうのって。

井戸上:僕たちの会社の中では、ろう難聴者と聴者っていう言い方をします。

川田:失礼しました。その聴者の人との国境をなくすみたいなお仕事なのかなと思ったんですよ。やっぱ繋がってるんですか、その体験は?

井戸上:すごく繋がってますね。こういう仕事に就こうと思ったきっかけなんですけど、僕、本当に大学生になるぐらいまでは、両親が聞こえないっていうことは認知していたものの、他の家庭と何が違うのかっていうことが、あまり実感してなかったんですよね。同じ聞こえない親の元で過ごした、「CODA」の友達がそんなにいたわけでもないですし。聞こえる家庭の話を聞いても、どこか自分の家庭の中ではこれが当たり前なんだみたいな感覚がすごいあったので、比較しようにも比較できなかったところがあって。だから当たり前の中にいたので、聞こえない人のために何かをしようとか、そういう動機とかもほとんどその当時はなかったんですけど、ちょっと20歳の時に母親が末期癌になるっていうきっかけがありまして。 その時に「なんで母親がその末期になるまでその病気のことを言わなかったんだろう?」みたいなことをいろいろ考えたり、話を聞いたり。

川田:ステージ1から4まである中で、途中で気づいてても言えなかった、言わなかった理由?

井戸上:そうですね。実際、その症状自体はすごくわかりやすく出てたみたいなんですけど、家族にもなかなか言わなかった理由が何なのかなって話を聞いていると、やはり相談するっていうことが、母親の体験の中でどういうことなのかっていうのがあまりわからなかったっていう話をしてたんですよ。どんな時に相談ってするものなんだろうって。その感覚は僕も全然わからなかったんですけど、母親の幼少期の頃の話を聞いていると。 やっぱり母親のお父さん、お母さん、お姉ちゃん、みんな聞こえる家庭で過ごしている中で、当時はそれこそもうITとかでテクノロジーとかも全然ない時代なので、テレビにも字幕ついていないですし、家族で話されている音声の会話に、母親だけがずっと入れていない。ご飯食べている時ですら、食卓の会話を母親だけがわからない状態でいるみたいな。その状況の中で、母親はずっと少女漫画を読んで楽しんでたようで「その結果、日本語が得意になったけどね」みたいなことをハハハとかって言うんですけど。ただ、その空間の中で自分のことをわかってくれる人って、家族の中にもいないのかもなっていう感覚が、もしかしたら母親の中にはあったのかもしれないし、相談してもきっとわかってもらえないんじゃないかっていう、そういう想像とかも母親の中にはあったんじゃないかな、っていうふうに思って。

川田:隔たりを結構小さい時から感じてたんですね。

井戸上:母親が病気になった時も、自分の中で抱え込むっていうことが良くも悪くも母親の強さになって出てしまっていて。

川田:自分で解決する?

井戸上:はい。そういう母親の状況を見た時に自分の 残りの人生の中で、母親が過ごしている期間の中でできることって何なんだろうみたいなことを初めて自分で問うタイミングがそこにあって、その時にちょうど大学の図書館をうろうろしてた時に、たまたま福祉のコーナーのところに「CODAの世界」っていう本を見つけて。

川田:コーダ? どんな字を書くんですか?

井戸上:「Children Of Deaf Adult」の頭文字からCODA。耳の聞こえない両親から生まれた、聞こえる子供をCODAとアメリカでは総称されていて、僕は図書館のその本を見つけて初めてその言葉を知ったんですよ。読んでると、この日本の中にも2万人ぐらいいると書いていて、「CODAあるある」みたいなのがたくさん載っていて。例えば、幼少期の頃に親戚が集まる会に行くと必ず通訳をするとか、電話担当は基本的に自分の仕事だみたいなこととか、自分の体験と重なるようなことがすごくそこには書いてあって、自分の取扱説明書みたいなのがここにあるぞっていう。この本を読んでいた時に、もしかしたら何か聞こえない両親の文化と自分自身の聞こえる文化、この間でずっと過ごしてきたっていうことが、 何か社会の役に立つのかもしれないなとか、なんかそこに関わってみるっていうことがすごく面白そうだなっていうことを、初めてこう思えたタイミングが20歳ぐらいの時でした。

川田:それまでは周りの家庭との違いがわかんないとおっしゃってましたけど、自分の経験っていうのは他とは違うし、これを社会の福祉に変えることができると思ったんですね。それで今のお仕事をスタートされた?

井戸上:そこからまたちょっと何段階かステップがあったんですけど、その後も大学卒業してすぐに入った会社は、今のサイレントボイスではなくて。当時福祉とかのいろんな事業を全国で展開していた会社に入りました。聴覚障害領域の取り組みを何かしたいなと思って最初は入ったんですけど、実際、西日本の障害のある子どもたちが通う福祉施設とかを回るお仕事を最初させていただいた時に、中には契約者として30人子供がいる中で、一人だけ聞こえない子供がいるような施設とかも、僕がいる大阪の中でも結構な数ありまして。 で、そこでいる子どもたちが楽しそうに過ごしているのかなって思って、支援員の方の話を聞いていると、やっぱり他の子どもたちの輪にはなかなか入れていないですねっていう話があったりとか。

川田:お母さんが小さい時に家庭で感じてた寂しさを感じているってことですか?

井戸上:そうですね。そういった重なりみたいなものも、そこで出会う子どもたちから感じることは実際ありましたし、何よりも支援員の方がその聞こえない子供のことを何もわかってあげられなくて、私もどうしたらいいか困ってるっていう話があった時に、やっぱり社会の中にいろんな福祉資源というか社会資源がどんどん広がっているにもかかわらず、聞こえない、聞こえにくい子供の社会資源というのがなかなか足りていないんだなということを、実際に世の中の福祉のフィールドをいろいろ見ていく中で初めて知ったっていうことがきっかけで。 たまたま営業先に今のサイレントボイスという法人があり、ちょうど立ち上がった2年目ぐらいのタイミングでしたかね。

川田:それでジョインしようと?

井戸上:そうですね。サイレンボイスの代表も僕と同じ境遇で、両親2人ともろう者のCODA。初めてCODAの人と出会ったのが、今のうちの法人の代表なんです。

川田:それも嬉しかったですか?

井戸上:嬉しかった以上に驚いたというか、すごくなんだろうな、なんかしびれるような感覚と言いますか。ああ、こういう経験が生きている中であるんだみたいな。

川田:この境遇はもう自分だけだと思ってた?

井戸上:他者と何か共有できるものでもないのかなっていう感覚はずっとあったので、そこを共有できた時に初めて自分の経験が還元されるフィールドっていうのがもう少し別のところに、もっとコアなところにあるんじゃないのかなって。

川田:確かに聴覚、耳が聞こえない方のケアももちろんだけど、耳が聞こえる方にもそういった想像力を持ってもらうような試みをされてるってお話しされたじゃないですか。それは最初はちょっとピンと来てなかったですけど、今、その意味がすごくわかりました。他人、他の国ぐらい感じるような隔たりを感じた人たちに橋をかけるっていうお仕事されているってことですね。

井戸上:そうですね。事業としてはそういう受け取り方をしていただくことも多いんですけど、私自身の感覚というか関心としては、やはり幼少期の頃から、やっぱり両親と共に過ごす空間の中で、すごい面白かったんですよね、その世界が。だから今、福祉の事業とかもNPOではやってるんですけど、聞こえない人たちを助けてあげようとか支援してあげようとか、そういう気持ちでやってるというよりかは、やっぱり音のない世界で生きている人だから見ている世界があるし、それがやっぱり尊重されるべきだし、そこにしかない面白さがあるっていうこと。幼少期の体験の中で自分の中にもそれが残っているので、それをより多くの人にどういうふうに伝えたら共有できるのかなっていう気持ちで株式会社の取り組み自体はやっている部分が大きいですね。

川田:面白い。音のない世界の魅力。価値。 ちょっとこれ、次回伺ってもいいですか? いや、気になる。この時間はNPO法人サイレントボイス事務局長の井戸上勝一さんにお話を伺いました。次回もぜひよろしくお願いします。

井戸上:よろしくお願いします。

川田:川田一輝がお送りしてきた「OTOGIKI LAB.」第14回、いかがだったでしょうか。これ正直ね、想定の時間オーバーしてます。けど、まだ第1回、次回も続きます。こういう体験されている方って、「自分自身が特別な体験をしている。他の人と違う」ってことが、意外とわからないんだなって思ったんです。これすごくいい意味で、僕自身も自分の中で見えない自分とか、そういうふうに思ってたんだみたいな、思い返すことがたくさんありました。 次回はさらに深掘りをしていきたいと思います。もう必ず僕断言します。次回も合わせて聞くことで、あなたの世界が2倍、3倍広がります。そして、あなたが今悩んでいることの解決策のヒントもきっと見えてくると思います。ということで、次回もお楽しみに。

この番組ではサポートしてくださる企業様を大募集しています。

番組を聞いて少しでも興味を持っていただいた方は、音聞と何か一緒にできないかなと思ってくれた方は、こちらまでお気軽にご連絡ください。

info@otogiki.comまでお待ちしています。それでは、第14回の研究は終了といたします。「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」お相手は川田一輝でした。


川田:「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」音の実験室へようこそ。

川田一輝です。前回、一般社団法人MUSIBITOの野口純一さんにお越しいただいて、茨城県の結城市で行われている音楽フェスのことを聞きました。今週も登場していただきます。

いや、音聞チームでも話してたんですよ。将来住むとこってどこがいいんやろうねって。結城市の話を聞けば聞くほど、めちゃくちゃ住みたくなりましたよね。小京都で古民家があって、お水がおいしいから食べ物とか飲み物とかお酒とか味噌も美味しいし、サウナの水風呂もすごく気持ちいいんだよ、なんて話をこそっと教えてくれたりして。

僕はでも、ここ住みたいなっていうのがあるんです。広島に住みたいんですよ、将来。広島の新幹線の三原駅から、呉ですね、ヤマトミュージアムがあるあそこの呉線っていう電車があるんですけど、そこの車窓がめちゃくちゃ好きなんです。もうほんとに海の音が聞こえてきそうなぐらい海の真横を走る電車で、車窓からの景色なんかイメージは、「千と千尋の神隠し」で海の上走る電車あったじゃないですか、バスか。あんな感じなんですよね。僕はもう毎日釣りして、毎日海見て、起きて、毎日温泉入るっていうのが老後の夢なんで、広島いいよなっていうのも思いました。

今、魚のお兄さんとして、全国いろんなところの海を見てますけど、海って1つ1つ音が違うんでね。瀬戸内海だったら島々が近いから鳥の鳴き声がしたり船の汽笛がしたり、あと太平洋側に行ったら、波が1つ1つ大きいからどんどんと和太鼓みたいな波が砕ける音したり。北の日本海に行くと、風もすごいからフワーホーと。岩にぶつかる波がパシャーンパシャーンって、オーケストラのフィナーレで、シンバルをパシャーンバシャン叩くみたいな。そういった海の表情とか、海の音も違ったりして、将来どんなとこ住むのがいいんやろなっていうことを思ったりもしました。

今日もそんな結城市、野口さんの取り組みについて聞いていきたいと思います。

それでは「OTOGIKI LAB.」音の実験室、今日もスタートです。

さあ、この時間、ゲストをお迎えしています。前回に続きまして、一般社団法人MUSIBITOの野口純一さんです。よろしくお願いします。

それにしても、この結城サブレ、美味しいですね。病み付きの味になって。桑の葉が入ってるんですよね。

野口:葉っぱのパウダーが練り込んであって。

川田:他にも名物ってあるんですか?

野口:結城はご当地菓子のゆで饅頭。

川田:饅頭、茹でてるんですか。白玉みたいな?

野口:そのまんま生地を茹でて、どぼんとお湯の中にくぐらせて食べるっていう感じなんですけど。そもそも結城の殿様が疫病が流行った時には、疫病よけで民衆に振る舞ったっていうのがスタートらしくて。それから結城の人たちは夏祭りの時期になると、お神輿の時期に家庭で茹で饅頭作って。

川田:家庭で作る?

野口:そう、息災祈願して食べる。それを食べると1年

川田:健康でいられるよと?

野口:っていう。そういうお饅頭が結城にある。最近は和菓子屋さんに結構あって、家であんまり作らなくなったんで。多分茹でてるんで、あんまり日持ちがしない。

川田:なるほど。じゃあこれは結城に行って食べるというね。さすが。

前回は、いろんな野口さんの音楽のルーツ、ヒップホップからクラブDJをやってっていうお話と、イベントをされてるのが結城市というお話でした。茨城の一番西の町、結城市でされている街中音楽「結いのおと」。改めてどんなイベントか教えていただいていいですか?

野口:この「結いのおと」の一番の特徴は、結城市の歴史的な資源ですね。歴史と文化が息づく結城の固有の文化資源である神社だったり、お寺さんだったりとか。あとは、酒蔵。結城紬の産地問屋とか。そういった空間をライブステージとして活用するとこでして、より体験価値の高い、ライブサーキットの音楽祭として、回を重ねるごとに話題となってます。

川田:もう10年?

野口:そうですね。

川田:僕の知ってるTENDREが浴衣姿で。

野口:2回ほどもう来てもらって、バンドセットでも。結城紬をすごい好きでいてくれて、2回ともぜひ着させてほしいみたいな。

川田:僕の同級生のtofubeatsも行ったりと、結構いろんなアーティストが、ヒップホップとか、シンガーソングライターの眞名子 新くんとか、いい意味でごちゃ混ぜ。

野口:そうですね。ジャンルはすごく多岐に渡ってて。それがまた多世代の交流っていうことで、すごくいい意味でこの町の人たちの新しい価値観を生むような。その舞台が結城の街中っていうことで、その地域の人々の生活感だったりとか。

川田:実際に住んでらっしゃる方も周りにいて、そこの中で、街中音楽祭。第1回立ち上げ、相当大変だったんじゃないかなって。

野口:でもね、1回目から今のような割とでかくやってたわけじゃなくて。

川田:まずはスモールスタートで?

野口:おっしゃる通りで、アコースティックの弾き語りみたいなところから始まって、ステージを見てもらった人たちにこういう規模感でやりたいっていうところ、ちょっとずつ大きくしてって。今ではお寺でヒップアップできるようになりました。

川田:かっこいいな。この10年続けてきて、すごい嬉しかった瞬間とかありますか?

野口:1回目の放送で言ったと思うんですけど、過去にもクレームの電話をいただいたことがあったんですけど、なんとかしてくれって言われて。その方と何度かお話をして、色々代替案を提案をさせていただいたんですけど、ふと、この人ってまだ「結いのおと」にいらしたことはないんだなってことで。要は近所の方なんで、ぜひ次回はお友達と「結いのおと」に参加してくださいっていうことで、ご招待させていただいたんですよね。そしたら去年、色々うるさいと言ってお叱りを受けた方が、すごく楽しかったって言ってくれて。でね、お礼に花束くれたんすよ。1年前はクレームをくれた方が、やっぱりしっかり向き合ってみることで、感謝していただけるような立場になるっていうのは、とても嬉しかったし、すごく良い経験値にもなったなと。

川田:単純にそのライブが楽しかったからっていうよりかは、どちらかというと、その思いに共感したみたいな?

野口:やっぱり内側だったり、「結いのおと」から実際に体感して感じる空気感、温度感だったりとかっていうのも多分分かってくれました。

演者さんがこのイベントに対してリスペクトしてくれて、結構MCでも「素敵なところでやらせていただけるなんてすごい」とかね。「また来年も呼んでほしいから、綺麗に使ってみんなでぜひ来年もこのイベント続けてもらおう」とか。温度感のあるところは、やっぱり参加すると伝わるとこがあったんじゃないかなっていう風に思ってるんですね。

川田:自分たちの街に若い兄ちゃんたちがやってきて、わあわあ騒いでゴミだらけで帰るんじゃないかみたいなイメージがあったけども、実際はほんとに第一線で活躍してるアーティストの皆さんが、自分たちの街にリスペクト持ってくれて好きだって言ってもらったら、やっぱ嬉しい。

野口:だから結城を離れちゃった若い人たちも、結構友達連れて「俺の街ですげえ最高の音楽フェスやってっから行こうぜ」みたいな感じで来てくれて、案内してくれたりとか。

川田:僕、神戸でラジオやってるんですけど、神戸の塩屋、旧グッゲンハイム邸っていう、そこも1個音楽イベントをやっているんですけど、あそこの上の方の町って急斜面に結構家がたくさん建ってて、そこに引っ越してきた人たちの中に、子供たちが遊ぶ公園がないからっていうので、土地の半分に家建てて半分を公園と図書館にした人がいるんですよ。デザイナーのご夫婦で。で、その人たち、なんで自分たちの土地でそんなことしたんですか、って言ったら、やっぱりこの街が楽しかったって記憶がないと将来戻ってきてくれないから。戻ってこないと、家はどんどんボロボロになって、修繕もしてくれないし、インフラも整わなくなってくるから、自分たちが住んでるこの街を大切にしていきたいって言ってて。今のお話は一緒だなっていう風に思いました。

野口:自分たちで住んでる街を豊かにすることで次に繋がる、バトンになると思うんで、「結いのおと」もぜひそういうきっかけになって、バトンになって、また次の世代が「結いのおと」ではない違う取り組みだったり事業だったり、その町の良さっていうのをしっかり感じて繋いでいける渡し役としてなってほしい。

川田:「OTOGIKI LAB.」っていろんなゲストの方が来られて、その皆さんがお話とともに、すごい温かい言葉のプレゼントもしてくださってるんです。この番組、「音のバリアフリー」だって話をしてくださった方もいて、我々は今までは耳が聞こえる人、聞こえにくい人、そういった人たちでも同じ楽しさで楽しめる環境をと思ってしてきましたけど、もしかしたらそのバリアフリーって、地方と都市とを結ぶバリアフリーっていうのもあるのかもなって思いました。音をきっかけに普段は行かない町に行くとか。

野口:「結いのおと」っていうのがハードルを取っ払うものになって。

川田:確かに茨城って関西人が一番行くモチベーションがわきにくいって言ったら失礼ですが、茨城の方、聞いてたらごめんなさい。大洗水族館にしか行ったことないので。でもすごくいいなっていう、地方創生の一つの可能性も感じました。

色んな会場があると、音作りとかもすごい難しいんじゃないかな。

野口:やっぱそこは音響さんと色々話し合って、蔵の街、蔵造りの建物は結構反響が良かったりするんで、逆に割とやりやすいんすけど、お寺さんの本堂なんかは、結構柱があったり。そういった部分は結構苦労されてるみたいなんで。事前にリハーサルやったりとか色々環境を考えながらやってもらってますね。

川田:自分たちの街に友達呼んでくるってありましたけど、家族連れでも来たりもするんですか?

野口:ファミリー層は結構いらしてくれてるんで。フェス協会のイヤーマフとかももうずっと毎年、ここ最近は。

川田:子供たちが耳にダメージ受けないようにやってるんですね。

他に「結いのおと」ならではのフェスの工夫とかってあったりしますか。

野口:やっぱり結城って街中音楽祭って言って、ライブサーキット型の音楽フェスですけど、街並みがコンパクトなんですね。だから動線だったり、どういう風に結城の良さを体感してもらえるかなっていうことで、回る順番じゃないですけど、こういう風に回ってもらったら、より結城の良さがわかるよっていうところで、動線のマップを作ったりとか。ワークショップをやったりとか。

川田:ワークショップってどんな?

野口:お寺さんがあるんで、座禅体験やったりとか。

川田:そんなのもできるんですか? 面白い。

野口:あとは一文字写経じゃないすけど、般若心経の文字を一文字ずつ皆さんで繋げてってお経をちゃんと作ろうみたいな。その文字一つにちゃんと意味があるんで、自分たちがなんでこの文字を選んだかていうことで。ある女の子は仏っていう字を選んで、戦争がない平和な時代になりますようにっていう風に思いを書いて、その文字を選んだっていうことで、そういうのをみんなで繋げてって。

川田:音だけじゃなく、いろんな出会いとか気づきがありそう。

野口:何かフックになって、結城の深い文化だったり体験だったり、あとは結城の地域資源を使った新しいメニューを開発したりとか。

川田:僕、ちょっと考えたんですよ。桑チューハイ。

野口:いいですね! 緑茶ハイみたいな?

川田:採用ですか(笑) 緑茶ハイみたいな、桑が意外と抹茶みたいな、お茶のいい香りがするんですよね。この葉っぱのいい香りって、甘いのいいわっていうプレーンチューハイとか飲む人にいいんじゃないかなって。

野口:ありですね。いただいていいですか?

川田:どうぞ。確実に結城に行ったとき、僕それご馳走してもらいますけど、飲み放題ということで。

一般社団法人MUSIBITOっていうお名前も、今のお話聞いてすごいしっくりきたのは、音、町、人、いろんなとこを結んでいってらっしゃる方なんだなって思いました。今後なんかこういうことしてみたいとかありますか。

野口:音聞プロジェクトっていうところで関わりを持たせてもらってるんで、多様な聞き方の提示として、サイレントディスコ形式でやってみたりとか。

川田:サイレントディスコっていうのは、ヘッドホン付けて? あれ、いいですよね。

野口:そういうのをやったり、字幕付きの配信だったり手話通訳を組み合わせて多様な聞こえ方のワークショップなんかもやったりとか。あとは、少し離れててもライブを楽しめる空間をあらかじめ設計した「音の安心ゾーン」をエリアの中に設けたり、その聞こえの違いを前提にデザインされたフェスなんかにチャレンジできたら、結構自分に合った音の楽しみ方を選べるっていう、そういう安心感もあるフェスにしていったらいいかな。

川田:なるほど。街中音楽祭だからこそ、いろんな選択肢が多いっていうのはいいですね。

僕、今1歳の息子がいるんですけど。子供が生まれて良かったことがめちゃくちゃある中で、子供がいることで行けなくなった場所もめちゃくちゃあるなって。妻か僕どちらかが確実にカウンターだけの焼肉屋さんとか行けないとかね。それこそライブフェスに一緒に行くにはまだちょっと辛いとかなっても、街中だったら「ちょっと今からチンさん見てくるわ」みたいな。

野口:いい距離感、お互いの距離感を、音の距離感という意味で取れると思うんで、そういう利点をこの「結いのおと」が作っていって、聞こえ方だったり聞き方を提案できたら、すごくいいなという風に思いましたね。

川田:すごい。今日はいろんな可能性を感じました。

野口:ありがとうございます。

川田:個人的には、地方創生って結構キーワードで。僕は魚とか海が大好きなんで、いろんな港町に行くんですよ。例えば、和歌山の那智勝浦とか、学生時代は広島の橋がかかってない、船でしか行けない大崎上島っていう、みかんとかが有名な島があるんですけど、やっぱりすごい素敵な人たちがいる中で、どうしても人口が減っていったり、町の薬局屋さんがなくなったよとか、そういうニュースを聞いてくと、何かできないかなってやっぱ思うんですよね。

で、それをやるためには、やっぱその地に根差すこととか、おっしゃったみたいな、その地域に本当に住まわれてる方たちとの対話っていうこともありながら、音楽っていうキーワードで、そういったバリアフリーを作れるんだなっていうのを知れたのが、今日よかったです。

野口:よかったです。ありがとうございます。

川田:ぜひ、またイベント遊びに行かしてください。「OTOGIKI LAB.」で行って、いろんなアーティストにインタビューするみたいなのもいいいですね。

野口:「結いのおと」の良さって、アーティストさんの滞在時間、長いんすよ。

川田:行ってすぐ帰るじゃない?

野口:じゃないです。もう割と終わった後、一泊される方もいるんですよ。

2日間やってるイベントにあえて1泊されて、次の日はもうお客さんとして普通に楽しんでもらって、みたいな。あとは呼んでないのに来てくれる(笑) 去年出た人が今年はお客さんとして来てくれて、じゃあぜひ一緒に飲みに行こうよとか(笑)

「結いのおと」の緩やかな独特の空気感をすごく楽しんでいただけるってのもありがたいなと思って。

川田:僕もそうですし、これ聞いてる人もみんな結城市ちょっと好きになってますね。

野口:嬉しいっすね。出てよかったです。

川田:行きたいなと思いました。

いろんなフェスがたくさんある中で、その血の通い方みたいなのがほんとにオンリーワンなんだなっていうのを感じました。ぜひとも「OTOGIKI LAB.」とも、これからどうぞよろしくお願いいたします。

2週にわたってお話伺わせていただきました。この時間のゲストは一般社団法人MUSIBITOの野口純一さんでした。

ありがとうございました。

さあ、川田一輝がお送りしてきた「OTOGIKI LAB.」第13回、いかがだったでしょうか。

もうシンプルに言ったら「結いのおと」行きたくなりましたね。

そこでしか見られないもの、食べられないもの、そしてそこに流れてる町の空気っていうのを感じたいなっていうのを思いました。何より桑の葉が美味しかったのも印象的でした。

皆さんもぜひ足を運んでみてください。

それでは、第13回「OTOGIKI LAB.」研究は終了といたします。

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」また次回お会いいたしましょう。

お相手は川田一輝でした。



川田:「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」音の実験室へようこそ。

川田一輝です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

僕ね、1歳の息子がいるんですけど、息子との日々が毎日すごい新鮮で。多分これ、誰に聞いても覚えてないと思うんですけど、人生初ブームみたいなのを目の当たりにしてくんですよ。

自分の人生で最初にハマったもんって覚えてます? 僕は覚えてないんですけど、うちの1歳の息子は、アンパンマンとかミッキーマウスとかを差し置いて、掃除機にはまってるんですよ。ずっと掃除機触らせろって言って、ブーンブーンって言って、ずっと掃除機で遊んでて。でも、すごいのは、そういう子が多いのか、掃除機のダイソンから、おもちゃのダイソンって出てるんですよ、ちょっとだけ吸えるやつ。それをおばあちゃんに買ってもらって、ブーンブーンって言いながら、その先っちょのノズルとかを一生懸命カチャカチャ変えて変形ロボみたいにして遊んでるんですよね。ブンブンブンブンつって。

で、最近気づいたのが、うちの子、音の鳴らないものはあんまはまらないんですよ。ピッピって言って、リモコン貸せって言うんですけど、テレビのリモコン渡しても違うって言うんですよ。じゃなくて、ピッて大きい音がするクーラーのリモコンを触らせろって言うんですよね。だから、確かに掃除機とかリモコンとか、あと仏壇のおりんとかね、もう爆鳴らしするんですけど、やっぱり人間の根本的なところに音っていうのがあるのかな。音を鳴らして楽しいっていう、認知するのは視覚、目だけども、愛着持つのは音なのかなっていうのを最近思いました。

ということで、この「OTOGIKI LAB.」音の話を今日も深めていきます。

それでは今日も実験スタートです。




さあ、この時間、ゲストの方をお迎えしています。

一般社団法人MUSUBITOの野口純一さんです。よろしくお願いします。

野口:よろしくお願いします。

川田:野口さんは今日茨城から、わざわざ大阪に来ていただいて、このために。

野口:呼んでいただいてありがとうございます。

川田:僕ね、この前ちょっとinstagram拝見しまして、めっちゃ寄り道してるなって、万博行ってるなと思って(笑)

野口:やっぱね、大阪行ったらこの時期、万博行かないと。セネガルとか、バングラデシュのパビリオンだけちょっとチラ見して。噂になってるインドネシアの入口のお兄ちゃんを見て来ました。

川田:なるほど。ちょっと1杯飲みながら?

野口:そうですね、確かに。それも見てるんですね(笑)

川田:instagramでビール飲んでるなと思いながら。

今ちょうど調子がいい感じということで、よろしくお願いします。

改めて野口さん、簡単にどんなことをされてるかっていう自己紹介お願いしてもいいですか?

野口:改めまして一般社団法人MUSUBITOの代表をしております野口と申します。

普段は茨城県の結城市というところで商工会議所の職員をしております。その結城市で「結いのおと」という音楽フェスを主催しておりまして、この「結いのおと」がきっかけになって、前回この「OTOGIKI LAB.」にも出演された菊地さんが会長をしているNPO法人の日本ミュージックフェスティバル協会の理事なんかやっております。

川田:イヤーマフのこととかお話いただいて。子供たちが強い音を浴びてしまったら、ちょっと耳がダメージ受けちゃうっていうので耳当てみたいなのがあるよって話があったんですが。

そういった繋がりもあって。この番組「OTOGIKI」についてもすごくサポートしていただいてありがとうございます。その野口さんのされているMUSUBITOについて、そして「結いのおと」について、色々と今日伺っていきたいんですけども、まずそういった音楽フェスを主催されてる野口さんがどんな人かっていうの聞いたいんですけど、そもそも音楽はずっと好きだったんですか。

野口:そうですね。もう昔から音楽好きで、高校生の時は割と90年代のヒップホップを聞いていてDJやったりとか。

川田:クラブのDJも?

野口:そうですね。

川田:だから「結いのおと」でも鎮座DOPENESSさんとか、結構ヒップホップカルチャーを感じるような?

野口:割とそういうクラブカルチャーからヒップホップやってますね。

川田:自分の人生を変えた1曲ってありますか?

野口:そうですね、自分、楽器ができないんで、逆にトラックメーカーの方が結構好きで、デジタル音楽作ったりとか。

川田:トラックメーカーというのはパソコンとかで自分で音楽を作る人ですよね?

野口:そういうデジタルから音楽を創造していくミュージシャンに強い憧れがありまして。その中でEVISBEATSさんっていう関西方面で活躍されているトラックメーカーさんいるんですけど、「いい時間」という曲がありまして、あれ大好きですね。

川田:ちょっとチルな感じの。

元々ヒップホップって、僕は誰かの影響で聞くようになるもんだと思っていて、普通に生きてたらあんまり通らないというか、Jポップとかはあっても。僕は友達のお兄ちゃんにはヒップホップ教えてもらって。当時PSGはすごい高校生の時好きで、同級生にtofubeatsくんがいて。

野口:tofubeatsさんも「結いのおと」で何度もお世話になってて。

川田:僕はそういうルーツがあるんですけど、なんかそういった影響を受けた人が身の回りにいたんですか。

野口:高校の時に、イベントでDJを先輩がやってたのがきっかけで、ターンテーブルをお年玉で買いに行くっていうんで、秋葉原の電気街まで茨城から行って。普通ターンテーブルって2台じゃないですか。あれ1台、当時TechnicsのSL-1200が5万円ぐらいするんすよね。

川田:5万+5万の10万円?

野口:で、1台しか買えなくて。家にあったプレーヤーを無理やり2台つないで、片方はスクラッチできないという(笑)

野口:そこでしばらくしのいで、そういう思いをしながら、ようやくお金を貯めて2台作って、先輩に色々レコードを教えてもらったりして。そういうルーツもありますね。

川田:いいルーツですね。なんかワクワクするというか。

でも、音楽を楽しむ側から今度仕事にしようっていう風になったきっかけはあるんですか。

野口:元々自分は生抜きの商工会議所の職員ではなくて、東京で大学卒業して、東京のアパレル企業に、ファッション業界にいたんすよ。

川田:なんか今日も可愛いTシャツを着て、「ラザニアスパゲッティ」ってお腹すく(笑)

野口:ファッションっていうところにすごく興味があって、そのままお仕事にしてアパレル企業にいたんですけど、ライフスタイル見直したくて、転職を機に茨城にUターンして帰ってきて。転職先がなんと結城の商工会議所という全く畑違いの場所だったんですけど、商工会議所って地域の総合経済団体なんで、地域にどっぷり向き合うことになって、その地方都市が抱えている地域課題に結構直面したんですよね。それって何かというと、その町が高齢化してて、世代交代、いわゆる新陳代謝ができてないっていうところで。若年層が受け入れられないなっていう環境が悪循環になってるんですよ。その公的な立場から、なんかできないかなっていうことで、結いプロジェクトというMUSUBITOの前身となるボランティア団体を立ち上げて、2010年に。そこで地域の人たちを巻き込みながら、自分たちらしい活動をしたいということで自分の好きな音楽を起点にして。歴史と文化が息づく町なんですけど、その結城市を舞台にした回遊型の音楽イベントっていうことで、それが音楽祭の・・・

川田:「結いのおと」! そもそも結城市って、僕、伺ったことないんですけど、地図で見たら茨城県の限りなく栃木寄りというか。

野口:最西端ですね。

川田:どんな町なんですか?

野口:城下町なんですよ。元々18代結城家、歴史のある町なんで、蔵造りの建物が日本でも3番目に多い。歴史と文化の町並みが最大の特徴かな。

で、あとは何より結城紬。絹織物で、2011年かな、ヨネスコの無形文化遺産にも登録されて世界の絹織物となって。結構そういったところも有名で、もう着物テイストな町ですね。

川田:イメージは小京都とというか。きょうもお土産を買ってきていただいてね。これもね、渋い。和菓子のサブレですか。

野口:桑の葉のサブレなんすよ。

川田:桑の葉。あんまり聞かないですね。

野口:結城紬の原料となるシルク、繭ですよね。桑畑が結構あって、それをパウダー状にして生地に練りこんだもの。

川田:せっかくだから頂こう。 ほんとですね、緑がかってますね。いただきます!

野口:どうですか?

川田:サクサクで美味しい。なんか抹茶っぽい。

野口:ほろ苦さがアクセントになってて。鎌倉にある某サブレとはまたちょっと違って、甘さが控えめであって。

川田:これ言われなかったら桑ってわかんないかもしれない。桑って美味しいんですね。

野口:結構、栄養価も高くて。あとは桑の実ですね。横文字で言うとマルベリー。それもジャムで。

川田:え、桑の実ってジャムになるんですか。

野口:なります。桑の実のジャムとか

川田:ベリーっていうことは、ブルーベリーみたいな?

野口:そうそうそう。

川田:アントシアニンみたいな?

野口:割と地元の養蚕農家さんたちは、もちろん蚕もそうですけど、こういった形で。

川田:なるほど。じゃあ、結構和菓子のお店とかもたくさんあるんですね。

野口:そうですね。お寺さんが結構、結城にはまだ残ってるんで。そういうとこでまだ需要があるっていうことで。和菓子業界は世代交代がちゃんとできて、何代目とか。

川田:そもそも野口さんは、茨城の結城ご出身なんですか?

野口:実は違うんですよ。

川田:ここまで来て違うんですね! こんなに話してるから「わが町結城」かと思ったら(笑)

野口:隣の町、古河市っていうんですけど。たまたま転職したところが、結城だったっていう。

川田:じゃ、ちょっとある意味、茨城に対しては愛着とか思い入れもあるけども、ちょっと客観的に見られるとか?

野口:そうですね。逆にね、そういったところが自分の視点としても、強みなのかなっていう風に思って。結城の良さっていうのが客観的に見えるから、それを内側の人たちと町の潜在的な魅力に新しい価値観を付与できるような、そういう取り組みができたのかなっていう風に思ってます。

川田:なるほど。音楽、ヒップホップとかクラブミュージックルーツで、UターンIターンっていうんですかね、帰ってきて茨城でまた街に賑わいをっていうイベントで「結いのおと」ができましたと。でもこれ、簡単にはできないですよね。

野口:そうですね。

川田:難しいですよね、やっぱり。

野口:10年以上「結いのおと」を開催してるんですけど、やっぱり当然ね、音楽ライブなわけですから、その音を鳴らすっていうのを街中で開催するっていうのは・・・

川田:結構ハレーションというかね。

野口:そうですね。

川田:「そんなうるさいのは、うちは結構じゃ」みたいなのありそうです。

野口:だから地域の人たちに一緒になってイベントの運営とか、立て付けの段階から関わってもらってるんで、割と当然参戦してもらってる、応援してくれる人たちが強いんですけど、中にはクレームじゃないですけど、お叱りだったりとかご助言をいただくこともあるんですけど、でもそういう人たちとね、やっぱりちゃんと膝を突き合わせて話すことで、自分たちがどういう目的でやってるか。単なる賑やかしでやってるってわけじゃなくて。

川田:若者の単発花火ではなく、思いがあってと。

野口:やっぱりね、ここで多様性の醸成だったりとか、若い人たちがまたもう一度、結城から離れちゃった、首都圏に出てきちゃった若者が町と関わるきっかけが、この「結いのおと」にもあるんじゃないかっていうことで。実際にね、例えばマーケットなんかもあるじゃないですか。音楽を彩るような、例えばご飯屋さんとか、フェス飯みたいなもので関わってくれた人が、結城の街中の空き店舗とかに、実際に回遊イベントなんで出てもらったりするんで、それで結城の良さを体感して商売の道を感じて、新しい担い手になってるんですよ。

川田:そこにお店構えて?

野口:結城にお店を構えてるくれてる人たちが何店舗かある。

川田:え! 何店舗もあるんですか。

野口:もう十数店舗できてますよ。皆さん、「結いのおと」の出店者さんたち。

川田:それってすごいですよね。ファーストステップとしては、まずは結城市に行くっていうとこだけでも、もう拍手というかねえ。でもそこから先に、そこで店を構えて、その都市に入っていくっていうのはね。素晴らしいイベントなんだろうなっていうのと同時に、やっぱ結城にも魅力があるんでしょう。

野口:やっぱり自分もね、手前味噌ですけど、結城の良さっていうのはすごくわかってるというか。

川田:この「結いのおと」、すごい気になったんで、今日も調べさせてもらったら、井上苑子さんが紹介してたタコスがすごい美味しそうで。僕のイメージでは、小京都の結城市でみんな和装で歌ったりとか、それこそ和菓子とかかき氷とか食べんのかなと思ったら、タコスとかもあるんで、バーガーとかめちゃくちゃ楽しそうだなって。

でも、10年続けてこられた中にはきっとドラマもたくさんあると思うので。この番組 「OTOGIKI LAB.」では 音についても伺っていきたいので、ここで前半終了として次回詳しく「結いのおと」について聞かせてください。

野口:よろしくお願いします。

川田:この時間のゲストは一般社団法人MUSIBITOの野口純一さんでした。

次回もよろしくお願いします。

いや~、野口さんとのお話、楽しかったですね。

てっきりフェスのオーガナイザーが来られるって聞いて、髭のちょっと怪しい業界人みたいな人が来んのかなと思ったら、結構爽やかな短髪で日焼けをしてて、ニコッと笑った時にはちょっと目尻にシワが寄るような優しい感じで、でもバックボーンにはクラブDJもしてたりっていう、遊んだじゃないけども、そういうなんか余白の部分とかも感じたりして。多分、野口さんの人柄があるから、地域の人も音楽関係者もアーティストも、この人が言うんやったらやったろうかって思ったんやろうなと。MUSIBITOっていう一般社団法人でされてますけど、いろんな人を結んではる人なんやろうなっていうのを思いました。

でも気になるのは、その「結いのおと」という街中音楽祭です。

詳しくは次回聞いていきましょう。それでは第12回の研究は終了といたします。

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」 お相手は川田一輝でした。また次回。

以上

小池:ラップ、散歩で聞かれますか?

菊池:そのような感じで、はい(笑)

小池:(笑)

川田:菊池さんは特等席で聞いていただきましょう。

菊池:また違う角度で聞かせていただければと思います。違うところから音を

小池:じゃあですね、えと、今度はあれです。アメリカのトラッドをやってみたいと思います。よいしょ、なんかね、おしゃべりモードから歌モードに変わる時がちょっと、

菊池:ここにいると。まずいですか?(笑)

小池:全く問題ありません(笑)

菊池:隣にいると歌いにくいかなと思って、ちょっと失礼だなと(笑)

小池:全然大丈夫です(笑)じゃぁ、「Jane, Jane(Peter, Paul and Mary 1965年発表)」というトラッドです。


~♪(演奏)


(拍手)


小池・タバティ:ありがとう

川田:「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」公開収録は皆さま、いかがだったでしょうか?いや、なんか泣いてまいそうになりました。

菊池:素晴らしいですね~

川田:特等席の菊池さんはいかがでした?

菊池:素晴らしいですね。また聞き惚れてしまいましたよ

小池:こんなあの、30cmぐらいのところで、お客さんがいるのは初めてだったかもしれません(笑)

菊池:ですよね(笑)

川田:バイノーラルフェスおじさん(笑)

川田:いやでも、1日の最後にこの曲を聞いたら、なんかいろいろあったけど、今日もいい日やったなって思うなって思いましたね。

小池:それだったら嬉しい

菊池:僕ね、でもね、和三さんがすごいうらやましくて、うん。これ(バイノーラルマイク)で聞いてたんですよね。

和三:はい

川田:バイノーラルの録音で、ヘッドホンで和三さんが聞いていたと

菊池:横で見ながら、「うらやましい」なと

川田:いやいや、横30cmで聞いている菊池さんもすけどね(笑)

和三:左50cmにいて、もう正面1mぐらいのところに (笑)

川田:和三さんどうでした?ヘッドホンで聞いて、

和三:いやもう本当に泣きそうになりました

小池:恐縮です

川田:なんかこういった素敵な音楽が、どんなハンディがあっても・どんな環境にいても・どんな人であっても享受できる。それがなんか素晴らしい音聞-OTOGIKI-の未来じゃないかなっていうのを今日思いました。今日来ていただいた皆さんもいかがだったでしょうか。よかったらちょっとね、今日の感想なんかも聞けたらうれしいなあと思うんですけど、どなたかちょっと今日来て「こんな風に思ったよ」とか、質問でも結構です。よかったら、ちょっと今日の感想を教えてくださる方、いたらね。誰とも目が合わなくなりましたね(笑)

小池:感想を教えてもいい~よっていう人(笑)

川田:いいよ~っていう人(笑) 優しいね。保育園の先生みたいに言ってくれてますけどね(笑) じゃあ、最前列で楽しんでいただいているあちらの茶色いカーディガンのお姉さん、ちょっと聞いてみてもいいですか?今日のライブの感想でも結構です。ちょっとスタッフの方、前に1人来ていただいてもいいですかね。マイクパス、ちょっとお願いしてもいいですか?ありがとうございます。

来場者:はい。何も考えてなかったんで(笑)

川田:もちろんです。もちろんその通りです。

来場者:うん。普段ハミンバのライブには行かせていただいてて

小池:ありがとうございます。あ、そう一応「ハミンバ」っていう愛称で呼ばれてるんですよ

川田:注釈ありがとうございます(笑)

来場者:で、今日、この距離で歌を、あの正面の2人を目の前にいて、その音楽を生で聞くのと、こっちで聞くのと、どっちも楽しめる距離に来てたんですけど、このPodcastで聞いたときに、どんなふうに聞こえるのかなって楽しみが一個増えたんで、本番も楽しかったし、次聞けるのも楽しみだなと思って今日帰ろうと思ってます。ありがとうございました

(拍手)

川田・小池・タバティ:ありがとうございます。

川田:生で目の前で聞くっていう感動はライブならではですけど、それがさらに立体的になんか持って帰れるというか、聞いたらまた違う感動あるかもしれませんもんね。素敵な感想ありがとうございます。他にも質問も結構ですよ。なんか感想…よかったらね、無茶ぶりでごめんなさいなんですけど、ご家族で来てらっしゃる方、今日ちょっと感想を聞かせていただけたらうれしいんですけど

小池:ぜひお願いします

川田:あのお願いばっかり恐縮ですが、あのケーブルにも長さがございます。ご協力いただけましたら幸いです。あ、お子さんが答えてくれるのかな。今日どうだった?

来場者のお子様:わ!

川田:マイクチェックありがとう。聞こえてるよ。

来場者のお子様:楽しかった

川田:ありがとうね。ああ、さっきイヤーマフっていうのをつけてみた。さっき耳当てみたいなのをつけたかな。あれをつけてみたらどうだった。

来場者のお子様:うーん「あー」って大きい声聞こえた。

川田:「あー」って大きい声聞こえた?あ、あれ耳当てをつけていて「あー」って言った時、なんか聞こえ方が変わった?1回やってみようか。聞こえ方は変わりますか?

来場者のお子様:うん!

川田:(笑)変わったんだね。ということでちょっと翻訳をお母さんにしていただいていいですか?あ、お父さんにしていただきましょうかね。

来場者のお子様のお父さん:「聞こえ方変わった」って言うてました。

川田:言ってました(笑)お父さんはご家族で、今日ライブに来ていただきましたけど、今日のお話やライブを含めていかがでしたか?

来場者のお子様のお父さん:いや、もう本当に素敵な。あの歌声、ギターを弾けてですね、国宝級の歌声だなと思いながら、僕は聞いてましたので、はい。

小池:(笑)ありがとうございます

来場者のお子様のお父さん:今日は、はい。月曜日なので、癒されたので、ありがとうございます。明日から頑張ります

川田・小池:ありがとうございます

川田:またご家族でライブ来てください。ご家族のファンの方も多いんですかね。ライブに来られるのでしょうか。

小池:そうですね。割と小さいお子さん連れとか、新生児みたいな赤ちゃんが聞きに来てくれることも、しばしばで、はい。「胎教で聞いてました」とか、「出産の時にかけていました」とかという方が結構多くて、この間も「そうやって生まれた子供です」というファンレターをいただきました(笑)

川田:でも、やっぱりその子たちが大きくなって一緒にライブに来てくれたら嬉しいですよね。

小池:そうですね。なんかお腹で聞いていた時の思い出などを聞いてみたいですね。

川田:ハードルは高そうですけど、ライブや音楽というのは世代を超えて一緒に年を取っていけるというのは、すごい素敵だなと思いました。

小池:そうですね。

川田:他に感想や質問などはいかがでしょうか?よかったら、ここで思い浮かばなくても、SNSで「#おとぎき」とひらがなで書いていただきますと、Twitter・Xでも、Instagramでも結構です。それもPodcastの中で読ませていただきます。今日は完成形ではもちろんなくて、今日をスタートにみんなと一緒にこれから「あなたのための音」を、それぞれのための「バリアフリーな音」を考えていけたらと思います。ここに来てくださっているのはビューティフルハミングバードのファンの皆さん、音楽を実際にされているアーティストの方、そしてアーティストを応援している方、イベントを作っている方、フェスを作っている方、いろんな人たちが集まってくれました。みんながそれぞれ自分たちの持ち場でやることをやっていれば、もしかしたら今ない形で音の未来を形作っていけるかもしれないので、みんなで手をつないで「音聞-OTOGIKI-の未来」を作っていけたらなと思います。最後にビューティフルハミングバードの2人から今日の感想を教えてください。

小池:はい。あの、今日はもう「聞こえ方について考える」ということで、私自身もいろいろ耳の本を読んだりして、ちょっと「勉強しなくちゃ」という気持ちで結構、ガチガチになっていたところもあったんですけど、こうやって演奏したり、聞いていただいたり、またあの、いろんな録音の仕方でこの録ったものを聞いたりすることで、「学ぶ」というよりも、「体験」しながら、ものを「知り」ながら、「感じ」ながら、いろんな聞こえ方について身につけて、より「楽しく」、またより皆さんに「楽しんで」いただけるような音楽作りに活かしていけたらいいなと思います

川田:ありがとうございます。タバティさんはいかがでしょうか

タバティ:そうですね。まあ、23年ぐらい音楽をビューティフルハミングバードでやっているんですけど、まだまだ知らないことがいっぱいあるなと思って、こういったプロジェクトをきっかけに僕らもすごくいい「気づき」があったので、ぜひ一緒にこのプロジェクトとともに、いろいろ寄り添っていけたらなと思いました。

川田:はい。ありがとうございます。これからもアーティストの皆さん、そして音を届ける菊池さんのようなフェスを一緒に盛り上げてくださる方、作る方、そして我々楽しむ側も、一緒にこの音聞-OTOGIKI-というのを作っていけたらと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

川田:ビューティフルハミングバードの今後の予定についてはぜひSNSなどをチェックしてください。そして今日の模様は「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」としてアップされていきます。音聞-OTOGIKI-のホームページやSpotify、Apple musicなどをチェックしてください。今日は本当に初めての公開収録ということで、スタッフを含め、もう本当にドキドキしながらソワソワしながら、少年のようにみんなが目をキラキラさせて作ってきましたが、来ていただいた皆さん、今日は楽しんでいただけましたでしょうか?

(拍手)


川田:またこういった機会をこれからも作っていきますので、是非これからも一緒に参加して、音聞-OTOGIKI-の未来を作っていただけたらと思います。

ではお別れの時間です。「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」のお相手は川田一輝でした。そして、ビューティフルハミングバードの小池光子さん、そしてタバティさんに拍手をお願いします!

(拍手)

小池・タバティ:どうもありがとうございました。

(拍手)

川田:日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池 崇さんにも大きな拍手を!

菊池:ありがとうございました。

(拍手)

川田:そして、この会場に来ていただいた皆さんに大きな拍手を!

(拍手)

川田:また音の鳴る場所でお会いいたしましょう!ありがとうございました!

川田:さあ、それでは公開収録はまだまだ続きます。改めて、ここであの2人に帰ってきていただきましょう。ビューティフルハミングバードのお二人です!拍手でお迎えください!

(拍手)

小池:よろしくお願いします

川田:おかえりなさいませ。喉乾いてないですか?

小池:大丈夫です。

タバティ:でもなんかおいしそうですよね。菊池さんが飲んでいるのを見ると

小池:美味しそうに飲まれてて

菊池:すいません。途中で入ってきてしまい(笑)

川田:あの菊池さんのプチ情報ですが、ここに来る前にリハーサル中にサウナに入ってますから、福島で。

タバティ:仕上がってますね

菊池:はい。ちょっと早めに着いてしまったので、時間があったので、ちょっと、はい。楽しませていただきました(笑)

小池:最高ですね(笑)

川田:ゆっくり大阪の夜を楽しんでほしいなって思います。ここからですね、この4人でOTOGIKI LAB.の実験ですね、「音聞-OTOGIKI-エクスペリメント」、音の公開実験にお付き合いいただこうと思います。皆さんもずっと気になっていたこの謎の黒いマネキン、実はこれはあるものを録音しておりました。で、どういったものかというのは、まずサンプルから聞いてもらおうと思います。ここで1人のプロをご紹介いたしましょう。朝日放送テレビで音声をされています、和三さんです。よろしくお願いします。

和三:どうもよろしくお願いします。和三といいます。普段テレビの「音声さん」をやっていて、あまりこういうラジオ収録とか、そういうのはしたことないんですけども、まああのテレビの番組をやっている以外の時間何をしているかというと、私こういうちょっとした音に関するちょっと変わった技術をいろいろ試すのが好きでして、そういうのを試していって、いろいろテレビだったり、ラジオだったり、そういうのに使えないかなと日々こういうのをちょっとやっています。

川田:なるほど。それを皆さんには実際に聞いていただこうと思います。ビューティフルハミングバードのお2人と菊池さんにも、ちょっと聞いてリアクションしていただきたいなと思いますので、じゃあまずはですね「音」を出していただきましょうか。皆さんもお聞きください。

(波の音)

小池:これは…癒し音…

川田:これはタバティさん何の音ですか?

タバティ:これは…海ですかね。

和三:はいその通りです。こちらの方、まあ。私、阪神キャンプの仕事もしてまして、そのオフ日にちょっといい海があったので録りに行こうかなって、ちょっと音を録りに

川田:ちなみにサーフィンが趣味だそうです。

和三:ということで、次は同じような海の音でも違う海の音を聞いていただきたいと思います。

(海の音)

川田:どんな海を思い浮かべますか?

小池:白い感じの…白波の…

和三:これは実際仕事で行った沖縄キャンプなんですけど、休みの日にサーフィンに行ってそのまま…

川田:それを仕事というんですか?(笑)

和三:でちゃんとお休みにさせていただいてまして、その時に録った音です。

小池:サーフボードと機材を持っていくってことですか?

和三:そうなんです。サーフボードは現地で借りたんですけど

小池:そっか

川田:今和三さんを掘り下げる時間じゃないですよ(笑)

小池:すみません気になって(笑) テレビの音声さんってだけでもワクワクしてる(笑)

川田:まだまだあるんですよね。

和三:はい。あとは、まあちょっとこれも癒しの音だとは思うんですが

(小鳥のさえずりやざわざわと風に揺れる木の音)

小池:いますね。今度は海じゃなくて山の方な感じですか

和三:そうですね。これも奈良県の吉野山の方でで取ってきた音で、5月頃なんでまだウグイスが鳴いている頃ですね。

小池:素敵

和三:あと同じ場所で5月頃だったんで雨降ってきたんで、こういう音も…

(雨音)

小池:あ~雨だれの音がします。

和三:こうやって、いろんな音、この自然の音って、すごく癒しの音だと思うんですけども

小池:素敵ですね。

和三:はい。実はですね、今この音、まあここの会場の方はちょっと感じられなかったかもしれませんですけど、これまたPodcastを聞いていただくとですね、実は立体に聞こえるように、録っているんです。実はこのマイクがそういうふうな、方式で取れるように作ったマイクです。

川田:はい。皆さんの目の前にあったこの謎のマネキンは実はマイクなんですよね。そうなんです。はい。どこにマイクがあるんですか?

和三:あの、後でまた前に来て見ていただいたらいいと思うんですけど、マネキンに実はシリコンの耳をつけてまして、で、その耳の中にマイクを入れているんですね。これはどういうものかというと、『バイノーラル録音』っていう。あの、1980年代後半から実はある技術で、ぶっちゃけると、耳ん中にマイクを仕込んで、その音をその人が聞いたら、じゃあ聞いたままの音を感じられるでしょ。っていうのはこのマイクの方式の、ぶっちゃけていうとそういうところなんですけども、なので、普通に音楽とか、いろんな普通のステレオで聞いていると、そんな立体的な音っていうふうに、左右のスピーカーとかイヤホンの中で、感じる音はあるとは思うんですけど、こういう方式でとると、もう頭全体で、録れるので、あの、立体的に音が聞こえるっていう

川田:右後ろから、拍手が聞こえたぞとか。前からギターの音が。ちょっと右の方では歌声がとか、そういうふうに聞こえるんですね。

和三:そういう風に聞こえます。こういう方式っていろいろあるんですけど、こういう古いこれなんかは私が自分で作ったマイクなんですけど、もともとこういうのを売っているやつもありまして、そういうのなんかすごく高価なんですね。高価なんで会社に買ってもらえないなら自分で作ろうかなって、

川田:ここからABCまで歩いて、5分もかからないで、そんな近いところで、悪口やめてほしいなと思うんですけども(笑) 実際今回はそういった音も聞かせてもらえるんですよね。

和三:はい、実はここにずっと置いていたっていうのにも理由がありまして。ビューティフルハミングバードさんの演奏、このマイクで録ったらどういうふうに聞こえるかっていうのをちょっと。録ってみたくて、ここにこうやって邪魔なんですけど、ちょっとマイクを置かせていただきました。先ほどのあの曲を収録したので、ここの会場の方は実際に立体的には聞こえないんですけども、ヘッドホンをしたら聞けるので、どなたか聞いていただいて。

川田:じゃぁ小池さん、聞いていただきましょうか。

小池:はい。いいですか

川田:会場の皆さんはPodcastで聞くのをお楽しみということで。じゃあ、菊池さんにも聞いていただきましょう

菊池:どっち右で左とかあるんですか?

和三:青い方が左です。あ、このテーブルが空いている方が左です。じゃあ、先ほどの曲をちょっと再生させていただきます

(先ほどのアニーローリーを再生)

小池:周り全部に音がありますね

川田:どうですか?

タバティ:僕がこの辺にいるんですよ

川田:どの辺ですか(笑)

タバティ:このへんなんですよ(笑)

川田:Podcastの人にもわかるようにしてください(笑)

小池:左前当たりにタバティがいるなって感じ

菊池:すごいですね。

小池:すごいですよね。

川田:菊池さん、どうですか?

菊池:これ、マイクは高いんですか?

和三:いえ、あのマネキンが589円です。シリコンの耳がちょっと高くて、2500円ぐらいですね。マイクを持って会社にある普段、テレビで使うピンマイク。それを仕込んでる感じですね

菊池:なんか頭の後ろの方から聞こえてきたり、光子さんの声が聞こえてきたり、ギターが違う方から聞こえてきたり、なんか自分の聞きたい方から聞こえてくるような気もするし、

小池:あーなんとなくわかります

菊池:なんか違う時にはこっちからというのも現れるし、よりクリアに聞こえる感じがしますね

和三:こういうので、録ると基本的にこの壁もいろんな音を反射したりとか吸収したりとか、そういうのがあるので、いろいろ位置も変わって聞こえることはあると思うんですけど、実際人間は目も見て聞いていると、その場所にその人がいるって感じて、そういう音を遮断したりするんです。

小池・菊池:あ~

和三:なのでそういう風に視覚がないとそう感じることもあるんです。

川田:お客さんがポカーンとなっているので、せっかくだったらこれを聞いてみてください。聞いてみたいよという人は、ちょっと手を挙げてもらっていいですか?今、ヘッドホンを渡して聞いてもらいましょうか。はい。聞いてみたい人は手を挙げて、はい。あ、じゃあ前のその女性の方

菊池:あんまりすごいとか前情報がない方がよかったですかね。(笑)

小池:そうかもしれない(笑)

川田:ちょっとお声も聞きたいので、マイクを向けていただいてもいいですかね。どうですか?

体験者1:(小さい声で)すごい…

川田:(笑) 声すごくちっちゃくなって「すごい!」って(笑)

体験者2:なんか囲まれている感じがします。

川田:聞いている2人が自分の世界に入っていて(笑) どうですか?聞いてみての感想は?

体験者1:音にハグってされている感じがしています。

川田:確かに。他にも聞いてみたい方はいらっしゃいますか?

小池:あ、どうぞどうぞ大丈夫です。

川田:関係者でもいいんですよ。あ関係者です。はい。どうぞどうぞ。

小池:ちなみにこのヘッドフォンはだいたいミュージシャンがレコーディングする時に

(アニーローリーがリピート再生され始める)

川田:よくあるやつですよね。ね。どうですか?

体験者3:まだ前奏だからわからん(笑)

一同:(笑)

川田:どうですか?

体験者3:奥行きを感じる感じで位置関係がわかるような。ボーカルが前に居て、小池さんが前にいて、ギターの方が後ろにいるというのが感じられるような音作りに感じました。

川田:前後の距離感がわかるくらい。

体験者3:そうそう。距離感がわかるくらいめちゃ響いてきれいな音です

川田:いかがでしたか?

体験者2:すごい立体感があって、ほんとにすぐそばで生で演奏されているような感じがしました。

川田:なんかこれを聞いていたら。通販番組みたいに欲しくなるんですけど、「いくらですか?」って(笑)

和三:このマイクは、まあまあ高いんです(笑)

菊池:これって、はい。Podcastでも再現できるんですか?

和三:Podcastだといけると思います。あのすごくあの回線が悪くて、ものすごく圧圧縮、ちょっとデータを小さくしたやつだとここまでの効果はないかもしれないですけど、普段のPodcastだと十分これは聞けるとおもいます。

菊池:AMラジオとかFMラジオでは難しいですか?

和三:えー…FMラジオだと多分ある程度の効果はあるかと。AMラジオだとちょっと技術的な問題で。方式の違いでこれをちゃんと再現できることは難しいと思います。

小池:じゃぁなんか新しいPodcastの楽しみって感じがしていいですね。

川田:Podcastだったら聞けるっていう話で、Podcastでよかったって言おうと思ったら、今スタッフから。「OTOGIKI LAB.」は地上波放送を目指しています。耳打ちが来ました。皆さん応援よろしくお願いします。

(拍手)

菊池:それだったらPodcastを聞く場合もヘッドホンだったり、イヤホンで聞いた方がいいってことですか?

和三:そうですね。スピーカーだと、多分スピーカー二つだと普通の音よりはちょっと広がって聞こえるんですけども、ちょっと後ろの方の感覚とかはちょっと出ないですね

川田:もうこの技術を踏まえて、ビューティフルハミングバードのお二人はどうですかね。これから音聞-OTOGIKI-というテーマでお送りしていますけど、音楽体験をこんなふうに活かせそうとか、なんかイメージ湧いたものとかありますか?

小池:なんか今聞いた感じだと、その。立体感とか臨場感とか、あとは包まれる感じっていうのは、割とライブに行ってこそ体感できるものの、「形容詞」という感じがするんですけど、例えばライブになかなか行けない人とかが、こういうふうな感じでお家で楽しむことができたりするのもいいなと思ったし、そういうのを体感して、「あ、じゃあこのライブだったら行ってみたいな」って思ってくれたりして実際にライブ会場で聞いてくれるというふうになると、すごくうれしいなと思いました。

川田:例えば入院して病院の中で行けなかったり、それこそ菊池さんみたいに楽しみにしてたライブ当日が盲腸だったり(笑)

小池:うん(笑)でもね、本当に実際に入院されてる方はラジオだとかPodcastだとかをすごく楽しみに過ごされている方がたくさんいるので

川田:よりリアルな、奥行きまでわかる音を届けることで、その人たちの音聞-OTOGIKI-体験を上げることもできるし、幸福度を上げることもできるかもしれない。タバティさんはいかがですかね。

タバティ:そうですね。もうほとんど一緒なんですけど、みたいな(笑) でも、やっぱりミュージシャンというと、CDを一生懸命作って発売するじゃないですか。で、聞いてもらいたくて作るんですけど、やっぱりライブの方が良いって言われることが多いんですよ。なんでか。一生懸命作ってるんですけど(笑) だからやっぱりこういう技術がいろんなところで使えて、届けることができれば僕らも

小池:ライブと音源のこのなだらかにつながる感じ

タバティ:なんかそれをすごく今期待していますね。

川田:この番組も「音のバリアフリー」を目指して、どういったものが実現可能なのかを、こういった配信だけじゃなくイベントなども含めて模索しているので、もしかしたらそのヒントがここに隠れているかもしれませんね。菊池さん、フェスにも取り入れられそうですか。

菊池:あの、昔というか、10年ぐらい前に「ボナルフェス」って、アメリカで今1番大きいと言われているフェスに行ったんですけれども。そこではヘッドホンだけで音楽を聴くエリアがあるんですよ。だから無音なんですよ。周りから見ると。あのダンスミュージックをガンガン踊ったり、そういうところで、そういうエリアも日本でも、なんかこう違う感じで隔絶される自分の世界にだけに入りたい人とか、なんかあってもいいかなという。楽しそうだなって思いましたね。

川田:昔、鳥取砂丘に真夜中行くと、鳥取砂丘周りは何もないので、宇宙と同じぐらい星見えるって聞いたことがあるんですよ。だから、そこでもしかするとそこで音を聞くと、宇宙でフェスを体感してるような気持ちになったりするんですかね。

菊池:それもあるでしょうね。

川田:可能性は無限大ですよね。こういったことをですね、今日いらっしゃる皆さん、Podcastを聞いていただいてる皆さんと共に、楽しくて面白くて、そして誰でも楽しめる音の未来を作っていけたらと思いますので、どうぞ引き続きよろしくお願いします。

では最後にビューティフルハミングバードから皆さんにここでまたライブを届けていただきたいんですけど、皆さん、よろしいでしょうか?

(拍手)

小池:ありがとうございます。

#09へ続く

川田:「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」公開収録、今日は(大阪)福島にあるPub SHOCKSからお届けしています。皆さん、楽しんでもらってますかー!?

(拍手)

川田:ありがとうございまーす!皆さんの拍手や声もふんだんに入れながら、その公開収録をPodcastも配信したいと思います。さあ、本日2組目のゲストをここでお呼びいたしましょう。日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池 崇さんです。拍手をどうぞ

(拍手)

川田:菊池さん、こちらのお席に座りください。菊池さん。もうハイボールをほぼ飲んでいるじゃないですか?

菊池:皆さんも、皆さんもお飲みくださいね(笑)

川田:(笑)はい。皆さんも一緒に楽しく飲んで、喋っていきましょう。よろしくお願いします

(拍手)

川田:じゃあ、実は僕も飲んでいいってことですか?

菊池:当然ですよ。

川田:いいですか?じゃあ、ちょっとPub SHOCKSの青木さん、すみません。あの、ハイボールを一つ、領収書はビューティフルハミングバードでお願いします(笑) すみません。

川田:さあ、ということでね、「OTOGIKI LAB.」Podcastでは前回、前々回と登場していただいて、いろんなフェスについての歴史だとか、最近ね、おすすめのフェスの話なんかも聞きました。今回ね、皆さん、初めて聞く方も多いと思うので、簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいですか?

菊池:はい。NPO日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池と申します。そのNPOとともに、今日皆さんにお渡しした「DEAL」というフリーペーパーの編集長(として)発行にも勤めています。そもそもは編集者としてライターをやっておりまして、その関係で、まあ皆さん音楽に取材、音楽ミュージシャンとか取材することが多くなって、そこからですかね。いろいろこう関係が高まってきたというのは、

川田:もう通称、周りから「フェスおじさん」と呼ばれているんですよね。

菊池:そうなんですよ(笑)

川田:手元の冊子を見ていただいたら、フェスおじさんのコラムがあって、面白かったんですけどね。周りからいつもフェスにいると「誰だあのおじさんは、いつもいるぞ」と話題になったフェスおじさん。

菊池:そうなんですよ。なんか取材で行ってきつつも、いつもなんか同じように、こう、ガチっとしたライターさんだったら普通は真面目に見るみたいな感じなんでしょうけど、そんなに…あ、真面目に見てないというと変ですけど、後ろの方でぶらぶらとしたり、前の方でぶらぶらとしたりして見てるので

川田:自分も楽しみながら

菊池:そうですね。だからなんか目立っていたんじゃないですかね。

川田:ああ、だから日本ミュージックフェスティバル協会というのは、フェスティバルの主催者たちを束ねる団体ではなくて、もうフェスを楽しみながら、応援する団体ってことなんですね。

菊池:そうです。

川田:へぇ。でそもそもその最初のフェス体験って、いつだったんですか?

菊池:フェス体験は思い出すと、20歳ぐらい。18、19ぐらいの時に。あ。高校時代からRCサクセションが大好きで、忌野清志郎さんの。高校の時に僕は岩手だったんですけれども、RCがあの岩手の自分の町に来てくれるっていう話があって、でこの(Pub SHOCKS)ぐらいの小さな喫茶店・バーが主催で読んだんですよ。はい。で、僕はそこに行っていたので、喜んで、なんかこうお手伝いして、チケットを売ったり、ポスターを貼りたいったりって、チケットをね、頑張ってやってたんですよね

川田:じゃあ最初からスタッフで行ってたんですか?

菊池:いや、その話がまだ途中で、その来る1週間前に盲腸になっちゃったんですよ。

川田:あら!

菊池:それで。ライブ当日行けず

川田:ついてないですね~(笑)

菊池:ついてないですね~(笑)

川田:フェスおじさんの。うん。フェス0日目、すごい寂しい話(笑)

菊池:それで。で、RCの皆さんが、まだあの東北新幹線がない時代だったんで、特急で来て、バー、喫茶店のお兄さんっていうか、おじさんは。「いや~、ここまで来るんだから岩手から東京まで帰れないから泊まるよ」とかって言ってるんで、「打ち上げがあるから来てくれるよ、呼ぶよ」って言って、病院を抜け出してその打ち上げまで行ったんですよね。

川田:寝ときなさい(笑) ちょっと無理を押して会いたいから、憧れのアーティストが。

菊池:あそこでさらにまたRCが好きになって、で、その時も結局来なかったんですけど

川田:え!?RCさん、来なかったんですか?

菊池:来なかったです

川田:じゃあ盲腸で病院を抜け出しただけ?

菊池:だけ(笑)

川田:今、何の話を聞いているんですか?(笑)

菊池:それが音楽を好きになった、まあ大きなきっかけ。で、やっぱRCは見に行きたいなと思ってその翌年、高校を卒業して東京に出てきてすぐ日比谷の初の野音だったかな。RCが。で、見に行って、野外でライブを聞く。っていう面白さに魅せられて、目覚めて

川田:そこは何年ですか?

菊池:えー18だから45年前ぐらいですね

川田:ほぼ半世紀近く、しかも年間百本近くのライブやフェスに今も足を運んでいらっしゃるんですよね

菊池:最近はね、やっぱりコロナ以降ちょっと減りましたけど。あの、それまでは行ってましたね

川田:すごいですよね。で、最近だとおすすめのフェスは何ですか?自分がすごく良かったフェス。

菊池:フジロックはもちろんいいですし、基本はキャンプインができるフェスが大好きで。ビューティフルハミングバードさんを見させていただいた。茨城で「結いのおと」っていう結城市っていう小さな5・6万人ぐらいの街かな。そこで、あの街のいろんなところを会場にして、ライブをやってるところが、フェスがあるんですよ。

川田:今でいうその町であるサーキットフェスみたいな感じなんですか?

菊池:いや、ライブハウスじゃないんですよね。神社とか、公園とか、あとはね。前やってたのは、銭湯とか

川田:銭湯!すごい音が良さそうですね

菊池:あとはどこで…ビューティフルハミングバードさんに聞いてもらってもいいわかると思うんですけど

川田:どこでやってたんですか?

小池:呉服屋さん!

川田:呉服屋さんですか!想像の一歩上でしたね。じゃぁ街全体がフェス会場!

菊池:そうなんですよ。それで街をこうちょっと古い蔵なんかもある街なので、そこを、歩きながら街の風景を見ながら次の会場に行ったりとかするんですよ。でその街と一体になったフェスっていうのは、やっぱ面白くて、そういうのもなんか日本はいろんなとこで可能性はあるなとは思っていましたけど

川田:確かにいろんなフェスがありますもんね。多分本当に今フェスがたくさん各地で出てて、肉フェス、魚フェスとかいう名前まで広がってるぐらい

菊池:そうなんですよね。

川田:だからそのフェスカルチャーっていうのは、もういろんな街とか取り込んだり、いろんなカルチャーも取り込んで、アートがあったりだとかライブペインティングがあったりだとか。なんかそういったところも含めて、フェスって音楽以外も楽しめますよね。

菊池:そうですね。いろんな楽しみ方が見つけられるのがフェスだと思っていて、ライブとはやっぱり違うで、いろんなミュージシャンの方も集まるので、音楽も多様性があるし、やっぱりライブハウスのこういう空間だと年齢が固まりがちじゃないですか?でもいろんな方を連れてこれるし、いろんな人が参加できるし。そういう場がフェスだと思うし。

川田:なるほど。そこで飲むビールとかもおいしかったりしますもんね。

菊池:そうなんですよ(笑)

川田:今ずっとね、空っぽのあのグラスがちょっと僕はおかわりいただきましょうか。すごい熱くなってきて、何がいいですか?いや。

菊池:み、ハイボール(笑)

川田:ハイボールですよね。今一瞬「水の『み』」が出ましたけど、ハイボール。これじゃちょっとこのハイボール僕もいただくので、じゃあ乾杯しましょうか。じゃあ乾杯!

菊池:乾杯。はい。皆さんも乾杯、皆さん、買いに行ってくださいね(笑)

川田:はい。乾杯~!

川田:(一口飲んで)いいですねぇ…。そっかじゃあそのフェスおじさんは盲腸から始まって、やっぱり音楽に対しての熱量がずっと今も続いていて素晴らしいなと思ったんですけど、今日ね、ビューティフルハミングバードさんがまたフェスの会場、例えば青空の下であるのとは違う、すごい手の届きそうな距離でのスペシャルなライブをしてくださったじゃないですか?今日最前で見てらっしゃっていかがでしたか?

菊池:いや本当に。うん。なんていうのかな。澄んでくれるような感じですよね。うん。あの野外で行くと、多分心を解放するような。解き放たれていくような感じがするんですけど、今日のライブは、なんかこう、内に入ってくるというか、声がこう…なんかこう、優しく包まれるような感じがしましたね。

川田:うん。すごくわかります。はい。なんか初めて僕もお会いしたんですけど、すごい心の内側が家族とか親族ぐらい近くなったみたいな

菊池:そうですよね。

川田:うん。感覚が、多分これは僕とアーティストだけじゃなくて、この会場にいるみんながそれを一体として、なんか言葉にできない感覚があったと思うんですよね。

菊池:あの。おそらくやっぱりライブというのは、会場全体で作り上げるものだと思うので、皆さんのその空気感だったり、聞いてる気持ちだったりがこっちの方に伝わってきて、それを返す。返っていくその交換が、その場その時しか味わえない時間になるんだと思いますけど

川田:そうですね

菊池:それが楽しくて、はい。あ、ハイボールきました。あ、これ僕のですね、ありがとうございます

川田:そうですね。今乾杯しようとしましたが、はい。菊池さんのです(笑)

菊池:それが楽しくて、毎回毎回新鮮で、ずっと行って早40数年って感じだと思いますね。

川田:2度と同じライブもないですもんね。関西でね、まあ関西いろんなライブ。フェスがあるんですよ。泉大津の方でも「泉大津フェニックス」とか「ラッシュボール」とか、まあ本当に言い出したらキリないんですけど。僕は神戸のラジオ局でDJもしてるんですけど、神戸もヒップホップの「コーベ メロー クルーズ」というライブフェスができて、そこはまた神戸の港風とか汽笛の音が聞こえながらっていう、港湾ならではの雰囲気もあったりして。関西でこんなライブフェスがあったらいいのになとか、あったりします?

菊池:関西がね、よくわからないんですよね。

川田:主に関東

菊池:はい。で関西は…公園とかよくわからなくて

川田:ああ、大きいところで言ったら「万博記念公園」とかね、うん。いろんなフィールドはあるんですよね。海沿いも埋立て地もいっぱいありますし

菊池:なんかフィールドでやってもらえれば面白いなと思いつつ、逆に。都市の中で、なんかさっきの「結いのおと」じゃないですけれども。大阪の街の特性を使えるような。で、そこでも音が鳴ってるような街の音も聞こえるような、なんかあるといいなと思いますね。

川田:福島とかどうですか?ここら辺

菊池:福島面白いと思いますよ

川田:なんかね、あの飲み屋さんやご飯屋さんがたくさんあるんですよ。ですごくレトロな銭湯とかもあるんですよ。なんかすごいマッチングもあるんじゃないかなと焼き鳥屋さんで、聞きたい音楽とかもあるのかなとか

菊池:で、ここ来る前にちょっと空き地とかもあるじゃないですか?そこでなんかこう。やってたりとか。なんかそういうのいいなと思いますけどね

川田:なんかフェスっていうものの可能性はすごくあるんだなと思います。で、今日、本当に老若男女たくさん幅広い方が来てくださっていて。で、お子さんも来ていただいてるんですけど、この日本ミュージックフェスティバル協会はそのお子さんに向けても気軽に参加できるようにアイテムを配っているんですよね。

菊池:あの配っているのではなく、あのこういう会場で子供用のイヤーマフ、あの耳の保護をする、聴力の保護をするアイテムというかグッズというか、その貸し出しを無料でしています

川田:今日もご準備いただいて。よかったら今日、来ていただいてる。あ、後ろを掲げていただいて。あ、かわいいですね。ミントブルーの。ちょっといろいろとね、たくさんあるのでよかったら皆さんの間で回していただいて、イヤーマフをつけたことある人いますか?はい。あ、一人ぐらいですね。

菊池:一応活動として、お子さん用っていう風にはしていますけれども、まあ別に子供用ではなくて、大人の方もしていただいてよくて

川田:これなぜつけるんですか?

菊池:耳っていうのは生まれた時に構造というか、完成されてるものなんですよ。で、それ以降。そうねえ、経年劣化するように、こう聞こえるのが徐々に下がってくるんですよね。

川田:高い音とか、なかなか聞こえなくなるっていいますもんね。モスキート音とかね

菊池:ってこう、100がこうずっとこう、まあ人それぞれこの角度があるんですけれども、もうそれが音を聞くことによって、こう下がる角度が早くなるんですよ

川田:ああ、だからフェスとかで爆音を浴びていると、ちょっとずつ高音が聞こえにくくなったり

菊池:そうです。でも僕なんか、たぶんだめなんですよ。がっと。もうそれ、40何年聞き続けてるんで(笑)

川田:これですね今手元にやってきました

菊池:ヘッドホンなんですけどね、音が聞こえない。なので、大人になれば別に自分の責任で聞こえなくなったところで、楽しんでりゃいいんじゃないのって思うんですけれども、お子さんは自分の意思でまだライブには行けてないので、それは守ってあげようと。守る必要があるんじゃないか。っていう思いで始めたのと、逆にお子さんが。全然音になんかこう嫌だって思わないでその場にいると。一緒にいたお父さん、お母さんも楽しめるじゃないですか。で、みんなで楽しめるために、その場を作りたいと思って、これを。

川田:へえ、それは菊池さんの海外に行って、おじいちゃん、おばあちゃん、お母さん、お父さん、お子さんという親子三世代のフェス参加者を見たんですよね。

菊池:そうなんですよ。

川田:やっぱり、それはなんかみんな是非ひそんな風にフェスに参加してほしいですよね。そうなんですよね。確かにイヤーマフ、あの、つけてみました。

菊池:聞こえないわけじゃないですよね。

川田:すっぽりね、いい感じで高い音と低い音がなんかこう、カットされて包まれてる感じがしますね。繭に。

菊池:あの伸ばしてもらうとサイズ調整できるので

川田:でもなんかこれをつけるつけないはともかく、これがあるっていうだけで、僕も1歳の子供がいますけど、この間フレデリックの三原健司君とインタビューしてた時に、うちの子がInstagramでずっと見てくれてるらしくて、「あの子がフレデリックの音楽を聴いて踊ってくれるのが楽しみ」って言ってくれたんですよ。いつか連れて行きたいなと思いつつも、何歳から連れてっていいのかなと、耳大丈夫かなとか思ってたんで、これがあるとやっぱり、親になってもまだライブやフェスに行けるっていう

菊池:そうですよね

川田:選択肢も広がりますね。これがあるっていうのは知ってるだけでも、多分フェスの楽しみ方が変わりますね。うん。なるほど。ね、今回、OTOGIKI LAB.の公開収録が初ということですけども、これどうですか?この空間

菊池:いやーなんかこう目の前で見ているあの、編集者ライターなので、あんまり人前で話すことはないんですよ。まあ緊張しますね(笑)

川田:そうですね。まあそういう時はもうグッと飲んでいただいて(笑) 今日はこの後もみんなと交流会もありますので、はい。みんなで一緒に乾杯しましょう。

菊池:お手やわらかに(笑)

川田:はい。よろしくお願いします(笑)ということで、この時間のゲストは日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池 崇さん、フェスおじさんでした。ありがとうございました。

菊池:ありがとうございました。


#08へ続く

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」公開収録をスタートいたします。

皆さん、ようこそお越しくださいました。

(拍手)

その会場に集まった皆さんはもちろん音楽好きですよね。ライブフェスによく行かれるんでしょうか。ロックが好きという方、ポップス、ヒップホップ、ジャズが好きという方、そしてビューティフルハミングバードが好きという方もたくさんいると思います。音楽好きな人、拍手をお願いいたします。

(拍手)

ありがとうございます。そんな皆さんと一緒に、今回初めての公開収録をここで行います。

会場は大阪市福島区にあるPub SHOCKS!

福島駅からずっと、住宅の細い道を行って、そして細い階段を登ったところに、まるで秘密基地のような空間。真っ白な壁いいですね。ちょっとグリーンがあって。手を伸ばせばみんなとハイタッチできそうな、こんな近い空間で、立ち見のお客様までありがとうございます!

熱気ムンムンの中、「OTOGIKI LAB.」公開収録という名の実験を行いたいと思います。皆さんの目の前には、これ見えますか?ここに。謎のマネキンが怪しいよね。あ、ちょっと見えないよって、お子さんもいらっしゃいますね。ちっちゃい!何歳なの?5歳!ありがとうね~。入り口で秘密のアイテムを配っているから、よかったらゲットしてみてね。そのアイテムについて、そして、ここの。コナンの犯人のような謎のマネキンについては後ほど実験でご紹介しますので、お楽しみください。本日、こちらMCをします、音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝と申します。よろしくお願いします。

(拍手)

今日、一緒に楽しんでいきましょう。

それではいち早く公開収録ということで、皆さんと一緒にゆるくドリンクなんか飲みながら過ごしていきたいと思います。改めて、ここPub SHOCKSにはおいしいドリンク・ケーキなんかもありますので、トーク中はいつでも席を立っていただいてもOKです!

よかったら、ほろ酔いを楽しんでください。なんて言ったってね。この後ゲストできてくださる、出ていただくね、日本ミュージックフェスティバル協会の会長の菊池さんがもう飲んでますからね。菊池さんもあのサウナに入って、今飲んでいるのはハイボールですか?はい。仕上がっておりますので、皆さん、菊池さんに続いてください。

しっかり飲んでほろ酔いで楽しんでいきましょう。どうぞ、今日よろしくお願いいたします。


川田:では最初のゲストにご登場いただきましょう。拍手でお迎えください。ビューティフルハミングバードのお二人です。

(拍手)

川田:わ~。お願いします。

小池・タバティ:お願いしまーす。

(椅子から滑る音)

川田:大丈夫ですか?今おしりが滑ったのがボーカルの小池光子さん、そしてギターのタバティさんです。よろしくお願いします。

小池・タバティ:よろしくお願いいたします。

川田:それぞれ自己紹介いただいてよろしいですか?

小池:はい。ビューティフルハミングバード、ボーカルの小池光子です。どうぞよろしくおねがいします

川田:お願いします。そして、

タバティ:はい。ギターのタバティです。お願いします。

川田:よろしくお願いします。どうですか?こういった形の公開収録は。

タバティ:いや、なんかいいですね。こんなのあまりなかったですよね。

小池:ワクワクしかないです。いま

川田:ワクワクとソワソワがすごくあります。あ、ありますよね。あの初めての公開収録なんで、今日の昼ぐらいに来てスタッフ一同みんなで椅子を運んだりして、まるでおじさんの文化祭みたいな感じで一生懸命準備しました。皆さんはどうですかね。楽しんでいただけそうですかね。ワクワクしてますか?

(拍手)

一同:ありがとうございます。

川田:今日は二人、新幹線に乗ってきていただきました。はい。大阪はどうですか?

小池:大阪は だいすきな町なので、あのライブでも よくおとずれている町なんですけど、大阪のみなさんは しんせき のようにいつも むかえてくれるので、いつも楽しみにしてきています。はい。Pub SHOCKSさんっていう名前で、ちょっと こわいところなのか とおもっていたんです。(笑)

川田:もう来るのをやめようかと思いましたか?

小池:ぜんぜんこわくなかったですね。ステキなところでした。

川田:優しいね、おしゃれな感じがね、しますよね。改めて、皆さん、ご存知かと思いますが、プロフィールをご紹介させていただきます。ビューティフルハミングバードは2002年に結成され、ボーカルは小池光子さん、ギターはタバティさんです。暖かさと力強さを併せ持つ声としなやかなアコースティックギターの音色が独自の世界を作ります。CMソングやNHKみんなの歌など、いろんなところで活躍され、全国各地のみならず、アジア各国でも公演し、海外アーティストとも共演し、公演・交流を深めていらっしゃいます。リハーサルでのお声を聞いたらですね、大阪の福島がなんか一気にこう、なんていうか、除霊したというか、うん。

小池:除霊!なんかいたんですか?(笑)

川田:なんか居る街なのでここは。(笑) 僕も大阪で育ちましたから、なんかすごく爽やかな風が吹きました。

小池:ありがとうございます。

川田:僕も大学生の時、ずっと聞かせていただいていて。

小池:それをうかがいまして感激しきりです。

川田:僕も小池さんと同じ合唱部でして、その声の澄んだお声がなんかすごく憧れと同時に、昼下がりの通学路がすごく華やかにというか、爽やかになったのを覚えています。

小池:ほんとうにうれしいです。

川田:はい。爽やかだね。昼下がりに合う音楽なんですけど、今日は夜のPub SHOCKSで。ええっ!?て声が出ましたけど(笑) ライブをしていただこうと思いますが、そもそもね、この音聞-OTOGIKI-というプロジェクト。いろんな人たちで音のバリアフリーを目指す。例えば、耳がちょっと聞こえにくい方や、聴覚に障害がある方も含め、聴覚だけじゃなくていろんなハンデがある方もみんなで音楽を楽しむということを目指しています。それが音聞-OTOGIKI-なんですが、このプロジェクトを最初に聞いた時、どう思われました?

小池:あの、今までありそうでなかったプロジェクトかなという印象を受けました。もちろん音楽をつくって演奏することを仕事にしているので、耳のこととか聞こえるということ、聞くということはとても身近に感じていたけど、これだけ大勢の人が音楽をきく世の中で、どういうふうに聞こえているか、どういうふうに聞いていくかみたいなことを改めて考えることって意外として来ていなかったなという気もして、一緒に考えて学んでいけたら面白そうだなというふうに考えています。

川田:うれしいです。確かに「OTOGIKI LAB.」って、Podcastの公開収録に至るまで、僕収録を2回しかやっていないんですよ。2回で溜め撮りをしたんですけど、2回目にして公開収録でびっくりしているんですよ。(笑) なんか今笑っている皆さんもね、もう「OTOGIKI LAB.」の一員ですから

小池:あ、もうまきこまれましたから皆さん(笑)

川田:一緒にね、みんなで作りましょう。ということで、お二人ご準備よろしいでしょうか。

小池・タバティ:はい

川田:では、この本当にね、皆さんと、手も届く、そしてこの熱気がダイレクトに届くこの空間でちょっとした実験を裏でやりながら、皆さんには素敵なライブを聞いていただこうと思います

タバティ:今じゃちょっとしゃべっていいですか?

小池:改めまして、ビューティフルハミングバードです。ありがとう

(拍手)

小池:ビューティフルハミングバードのギターはタバティです

タバティ:タバティです

(拍手)

タバティ:ボーカルは小池光子です

小池:小池光子です。どうぞよろしく

(拍手)

小池:皆さんに温かく迎えていただいているのが伝わって、とてもうれしい気持ちです。今日はバレンタインが近いということで、チョコレートの色を意識した衣装で来ました

タバティ:本当だ。はい。気づかなかった。そうだったんですね

小池:はい。そうなんです。(笑)

タバティ:ああ、うれしいね。本当ね。もらったわけじゃないんだけどね

小池:何もあげてごいませんけどね(笑) じゃあですね、今日はPodcast配信なので。いろいろ権利のことがあって、流せない曲とかあるんですけど、次の曲はあのトラディショナルな曲なので、著作権フリーなので、流せる曲だよというので。これはずいぶん前に。そういうトラディショナルな曲をいろいろ集めて録音したりした時期があって、その時にもう収録した曲なんですが、私がちっちゃい頃、新宿御苑って新宿の、あの新宿のおっきい公園があるんですけど、そこの脇に家があって、で、よく新宿御苑に遊びに行って、帰る時間になるといつもこの曲が流れてきて、そのたびに少し寂しい気持ちになりつつも「いい曲だなぁ」と思って、子供の頃以来大好きな曲です。スコットランド民謡の「アニーローリー」という曲です

♪~(演奏)


小池:
ありがとうございます

(拍手)

川田:よろしいでしょうか。改めてありがとうございます。拍手お願いいたします

小池:どうもありがとうございます

川田:うっとり聞きいっていました。なんか行ったことはないけど、どこか懐かしく感じる風景が思い浮かんだり。やっぱりその声に温度がありますよね(笑)

小池:あ、何度ぐらいなんでしょうね(笑)

川田:そんな具体的に言われましてもね(笑) 良かれと思っていたから(笑)

小池:体温よりちょっと高いくらい?

川田:36.5度ぐらいで

小池:適温ですね

川田:適温で。なんかずっと使っていたくなるような温かさをそのギターと声からも感じて。音聞-OTOGIKI-という番組ですけど、音という、音波ですけど、もしかしたら本当に温度があるのかもなっていうのを思いました

小池:素敵ですね

川田:どうですか?すごいまさに。あたたかわいいお客さんに囲まれて、はい。演奏はどうでしたか

小池:久しぶりにやる曲だったんですけど、すごく楽しく演奏できました。皆さんのニコニコフェイスを見ながら、ありがとうございます

川田:ありがとうございます。本当に素敵な演奏でした。今回、5歳の男の子をはじめ、現役のミュージシャンの方とか、あと放送局といろんな垣根を越えて業界の方も集まってきてます

タバティ:そうですか

川田:だから独特の緊張感がありますよね

タバティ:今ちょっと聞いて、またさらに高まりました(笑)

小池:ぎくぅっとなりました(笑)

川田:ライブ後でよかったですね。立ち見の席の後ろとか、ちょっとピリピリしてますもんね

小池:なんか確かに。プロの風味が漂っています

川田:そうですね。スパイシーですね(笑)

小池:スパイシーです

川田:でも、それだけみんなが音が鳴る場所や音を聞くというところに、これからどんな未来を作っていこうかって考えているんでしょうね

小池:素晴らしいですね

川田:なんかレコーディングとかライブでビューティフルハミングバードがここにこだわっているというポイントとかあったりするんですか?

小池:レコーディングで言うと、いろんな形態で録音することがありますが、歌とギターだけの曲の場合はできる限り同じ部屋で同時に録るのを良しとしている。1番良いと思っていて、で、一つのマイクで2人分録ったりとか。そういうことを割とやるのが好きですね。その2人で演奏しているところで、聴いているみたいな感じが出るといいなと思って。割とそういうことをやっていて

川田:本来だったら例えばバンドとかだったらドラム録って、ベース録って、それぞれ一つずつ録ったりもするけども、「ヨーイドン」で一つの空間で録ることが

小池:できれば、そうやりたいなと思っています

川田:学生時代よく聞いていた「柳の木」というすごい好きな曲。お2人の。それもなんかもうまさに友人が家に来て弾いてくれた曲っていうような感じがして、好きだったんです

小池:うれしいです

タバティ:あの曲もまさに。マイク1本で同時に録りましたね

小池:はい。

川田:今回は実はですね、あの2人の目の前には、はい。この謎のマネキンがいます。謎のケーブル2本が繋がっていますよね。どうですか?見られながらライブは

小池:これはだから、心で聞いているみたいな感じに見えますよ。目がないから

川田:このマネキンの。いや、これ実はあのいろいろとね、聞いているポイントがありまして、ちょっとこれどういう実験をやっていたかはこの後皆さんと一緒に楽しみたいと思います。はい。ということで、ここでいったんライブはOKということで。この時間のゲストはビューティフルハミングバードのお2人に大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございます

(拍手)

川田:お二人にはまた後程登場いたします


#07へ続く

菊池:なるべく買わないように引っ張っていたような気がするなあ

川田:なんでですか?いや、レコードがなくならないためにですか?

菊池:で、レコード会社からもらえるというか、サンプルでもらえるのはカセットテープか盤だったんで、CDをなんかしばらくもらえなかったような気がするなあ

川田:へぇ~カセットテープで最初もらってた。レコードを持って、カセットテープを持って、プロモーターさんたちが相当重いもんを担いで…

菊池:カセットテープがいわゆる…今と違ってて、だいたいリリースの3カ月くらい前には音源は作ってますよ。みたいなタイムテーブルだったんですよ。リリースまでの、だいたい3カ月前にカセットテープがあって、2週間ぐらい前に盤が出てきて、だからその雑誌媒体とか、印刷かかるようなやつにはみんなカセットで回って、近いラジオ局なんかは盤を上げるという感じだったんですよね

川田:今なんて前日の夜にマスタリングが上がりましたとかメールできますもんね。

菊池:だいたい今はメールですよね


「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」へようこそ。突然ですが、あなたは音楽は好きですか?

ロックが好きというあなたは、ハイスタ(Hi-STANDARD)や10-FEETが好きで、フェスを楽しむという人も多いかもしれません。ポップスやヒップホップが好きという方、僕は毎年ね、KOBE MELLOW CRUISEというヒップホップのフェスに行きます。田島貴男さんとPUNPEEさんがコラボして、PSGの「愛してます」をやってくれた時、胸が震えましたね。

ジャズや演歌、なんだったら落語なんかもいいです。

この番組「OTOGIKI LAB.」では、そんな音が好きなあなたとより音を楽しむための実験を行います。

申し遅れました。音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝です。

先週も盛り上がりました。ゲストに「フェスおじさん」こと菊池 崇さんに来ていただいて、フェスの歴史について伺いましたね。

なんか先週、フェスとかライブの話を聞いていた中で、自分の中で、忘れられないライブって、いつの誰のライブだったっけって思ったんですよ。

僕も年間数十回はライブに足を運ぶんですけど、まあ…例えば東京のもはや仲間、友達とも言えるフレデリックの初めてやったアリーナライブ、神戸ワールド記念ホールでの故郷に帰ってきたライブっていうのは、なんかライブが終わると見せかけて、モニターに映っていた時計の針が「ぐるぐるぐるぐる!」と逆回転を始めて最初に戻って新曲をやるっていう終わり方、あのアンコールも胸が震えましたし、あとはね、個人的には、2018年、キリンジの20周年ライブを見に行った時、僕高校生の時からキリンジが好きなんですけど、1番好きな「ドリフター」という曲があるんです。イントロのね、ピアノの旋律と優しい歌い出しが好きなんですが、僕がキリンジを好きになった頃にはもう解散しちゃってたんですよ。

お互いソロ活動されていて、もう聞けないのかと思ったら、20周年のZEPP大阪ベイサイドのライブでまさかの泰行さんが登場して、高樹さんと、「あれやりますか」って、ちゃんちゃんちゃんちゃんちゃんって、あのイントロがかかった時はもうなんか涙がぶわっと、もう止められないくらい出てきて、もう聞けないと思ってたのにと思って、パッて横見たらZEPP大阪の横数十名が、全員泣いてて、横の席「だよね!」って、あの一体感っていうのはね、なんか忘れられないライブって行った人だけが見られるミラクルがあんだよなって思いました。

今日もですね、そんなミラクルを積み重ねてきたライブやフェスのお話を聞こうと思います。

このPodcastでは音の楽しみ方をプロと一緒にぐっと広げていったり、音の作り方やアーティストの方を招いて生演奏を届けたりと、音の多様性を広げていく、そんな番組となっています。ゆるく楽しくおしゃべりしていきますので、今日もよろしくお願いします。では、「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。


川田:さあ、この時間もゲストをお迎えしています。先週に引き続き、日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池孝さんです。こんにちは。よろしくお願いいたします

菊池:こんにちは。こちらこそ

川田:通称「フェスおじさん」。はい。前回はですね、フェスの歴史をたっぷりとお伺いして、音聞-OTOGIKI-として聞かなきゃいけないことを全部忘れてしまいました(笑)

菊池:すみません。話が長くて(笑)

川田:いや、とても楽しかったです。年間で百本以上ライブとかフェスとか行かれてるっていうことですけど、最近行ったライブフェスで、なんか「これよかったな」って思ったことありますか?

菊池:これ、あの、最近っていうか、今開催されているもので好きなのは、去年行けなかったんですけれども、はい、豊田で「橋の下世界音楽祭」ってやってるんですね。愛知県の豊田市で。それは好きですね。

川田:橋の下、それはどういう場所でやって

菊池:本当に橋の下でやってるんですよ。豊田スタジアムに向かう「なんとか大橋」っていうのがあって、そこの橋の下を室内に見立てて、櫓とか立って、その下にあって、でちょっと土手側にはマーケットエリアとかキャンプサイトがあって

川田:面白い。ちょっと違うかもしれませんけど、関西の方だったら明石海峡大橋の下の舞子公園みたいな感じなんですかね。そこは何が良かったんですか?

菊池:そこは。もともとそのフェスって簡単に言ってしまうと祭りじゃないですか?

川田:フェスティバル

菊池:はい。で、海外、僕はヨーロッパとかはあんまり。行ったことがないからよくわからないんですけれども、祭りって日常にあるもんだと思うんですよね。だからこそ家族みんなで行く。年間、まあ日常というか、年間のスケジュールの中に当たり前に生活に密接・密着してるもんというか、そばにあるもん感じがあるんですけれども、日本のフェスって音楽フェスって、やっぱり日常ではなく非日常だったり、「日常を忘れさせてくれる場所」っていう印象なんですけれども、実は本来はもっとこう近づくべきものじゃないかっていうふうに思っていて、でそんなことを日常の中の祭り、日常の中のフェスっていうのをちょい「日本的感覚」の中で、思い出させてくれるのが豊田の「橋下」なんですよ。行ってみたくなりました。で、コロナ以降入場料を取るようになりましたけど、フリーだったんですよね

川田:へえ

菊池:ずっとそれまでは。

川田:それ、すごいですね。じゃあ本当に身近な公園に遊びに行くみたいな感覚で行かれる方も

菊池:だから、やっている「世界音楽祭」っていう名乗ってる通り、そのモンゴルのアーティストが来たり、ソウルのアーティストが来たり、ちょっとアジア圏のあんまりこう知られてないような人も来つつ、だからその運動着でなんか学校帰りの中学生が観に来たりしていたんですよね。で、かたやその日本にもその後祭りっていう。言われてる文化もあって、ヒッピーの流れからくるもんなんですけれども、そういうヒッピーテイストというか、ヒッピーライクっていう人たちも集まってる、そこに本当にこう普通の、普通のっていうか、あの学校帰りの子とか

川田:普段着の人が来たり。

菊池:近所のおじちゃんおばちゃんとかもふられて遊びに来たりとかしている光景がそこは素敵だなと思っていて

川田:それこそちょっとボーダレスな感じの場所なんですね。この番組「音聞-OTOGIKI-」も音のボーダレスを目指して、どういった世界が実現できるんだろうっていうプロジェクトでもあるんですそういう意味で言ったら、日本ミュージックフェスティバル協会では子どもたちもボーダレスにライブに行けるように、あのイヤーマフを貸し出したりしているんですよね

菊池:はい

川田:これって、どういうものだったりするんですか?

菊池:あの耳って、はい。生まれた時に完成されているんですよ。年をとるごとにその性能というかが下がっていくしかないんですって。取材させてもらったあの先生がおっしゃってたんですけれども

川田:確かにちっちゃい時はあのモスキート音って呼ばれるような音が聞こえるけど、うん。おじさんなんか聞こえないって言いますもんね。

菊池:で、ダメージを受けた後って再生することもないらしいんです。なので、耳音を聞く、大きな音を聞くっていうのは耳にダメージを与え続けていることになるらしく、できる限り長く音楽を楽しむためには、小さな頃はなるべく大きな音は聞かない方がいいと、いうことをお聞きして、で、実際フェスって、フェスに限らずライブもなんですけれども、お子さんが自分から積極的にしたいっていうのは少ないと思うんですよね。お父さんお母さんが連れてくるもんだと思うので、それだったらやっぱりお子さんの耳は守った方がいいんじゃないのっていうのと、と同時にお子さんが遊べる環境であれば、大人の方も一緒に楽しめるんじゃないかって

川田:そうですね。僕も子供が1歳の子がいますけど、やっぱり子供がいるからいけない場所があったり、子供が遊べるから新たに行く場所が最近生まれたんですよ。それと同時にそれがそのフェスの会場だったらめちゃくちゃいいわけですもんね。なんか、イヤーマフっていうのは耳当てみたいなもんですよね

菊池:要はヘッドホンの音が鳴らないもので

川田:軽く耳が密閉されてるから、耳を守ってくれる。

菊池:音から守ってくれる。音の高い部分と低い部分をカットしてくれるっていう。簡単に言うと

川田:うんで、それを日本ミュージックフェスティバル協会では、いろんなフェスとかライブで無料で貸し出してるんですか?

菊池:はい。で、やり始めたきっかけっていうのは、海外で、結構それは当然じゃないですけれども、お子さんにつけてライブに行きましょうみたいなのが増えていて、で日本では、あの一部のアーティスト、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとかもライブで、貸し出すっていうようなことを始めたりしていて、うん。あのフェスであるからこそ、多様性だったり、みんなが楽しめる空間じゃなきゃいけないって思ってましたから。じゃあなんかフェスでこういうことをやれれば、フェス協会としても応援になるんじゃないのかなっていうので、始めた活動です

川田:実際どうですか?お子さんとかをお渡しして、なんか反応とかは、

菊池:いや、なんか喜んでる方が多くて、「子どもも楽しかった」って言ってくれますし、お父さんお母さんも自分も楽しめましたって言ってくれる方が多かったりして、そう言ってもらえると本当にやってて良かったなって思いますしね。うん

菊池:きっとアーティストにとっても、ね、うん。どこかでこう、一緒に年をとっていくじゃないですか?アーティストも。でも、その中で、その下の次世代が親子で来てくれて育ってくると、やっぱりアーティストとしても音楽寿命もどんどん長く続けることができるし、いい循環かもしれないですね。

菊池:あのアジカンの後藤さんが、あのライブをやる前に、スピーク、あの楽屋でこう会場の動画というか、映してる映像を見たんですって。その時に子どもが大きなスピーカーの前でこう待ってるのを見て、「あれじゃあライブできない」っていうのから、やっぱりイヤーマフをつけてなるべく来てくれみたいなことを始めたらしくて

川田:自分たちが音を鳴らすと、この耳を傷つけてしまうかもしれない。なんかその一つがあるだけで、うん。なんか音楽とかフェスの音聞-OTOGIKI-なんでね、音の聞こえ方も含めて音を聴く機会っていうのは、なんかすごい増えそうですね。

菊池:多分、やるってことに関して、持つだけでもいいんですけど、うん。実際、借りても使ってないお子さんがいらっしゃると思うんですけれども、持ってるだけで多分音の聞こえる場所を考えると思うんですよね。

川田:ああ、なるほど。

菊池:お父さんお母さん、お子さんもそれが大切だなと思っていて、無理をしちゃいけないし、我慢しちゃいけないしっていうのは思いますね

川田:それが菊池さんの目指す、海外で見られた親子三世代でフェスに来ていた家族っていう理想像に近づくことかもしれないですよね。

菊池:そうなんですよ

川田:なんか今、ふと思い出したんですけど、僕が大学生の時にアルバイトであの万博記念公園の近くの団地の屋上に登って、あのdB計を持って、どれぐらい音が聞こえているかっていうのを測るアルバイトをしてたんですよ。

菊池:そんなのやってたんですね!

川田:万博記念公園って結構いろんなライブやってて、でも近隣の方の騒音を迷惑にならないように苦情が来ないように、いつチェックするんですよね。で、その時に僕は漏れ聞こえてる音楽を、うん、こう測ってたんですけど、例えばこう聞こえる耳のところもそうですけど、(音を)発するスピーカーからの音っていうのももしかしたら工夫すれば、なんかいろんな環境でライブができるようになったりもするのかなって今、ふと思いました

菊池:野外であれば、室内であるライブハウスよりはかなり立ち位置っていうか、その場所によって、自分にとってのベストポジション、音を聞くっていうことのね、ベストポジションってあると思うので、

川田:なるほど

菊池:まあ、自分のとか自分たちのっていうか、ね、

川田:そうですね。いやでも、それちょっと目からウロコというか、自分もフェスライブめちゃくちゃ行きますけど、自分のベストの音像って確かにあります。ベースもっと来てほしいとか、うん、でもそれって自分の足でそのベスト音を聞き決められるわけなんですね。なんかついついボーカルが見える位置が歩いて行っちゃったりもするんですけど、それもいいんですけど、確かに、これからライブに行くと…

菊池:なんか自然にギターの前の方に行ってることが多いですけどね、

川田:ギターが好きで、いやなんかそこの見えないものを見るというか、音を聞きに行くっていう感覚があったら、もっとライブやフェスが楽しくなるかもと思いました。今後、もう今フェスがすごい過渡期だと思うんですよ。いろんなものにフェスって名前もついたり、各地域でいろんな人がフェスを立ち上げるようになったじゃないですか?けど、このタイミングで、難しさもきっと出てると思うんですよ。例えば、夏フェスはもう夏が暑すぎてできないんじゃないかとか、あとは機材とかのトラブルであったりとか安全性も含めて。今後フェスってどうなっていくと思いますか?

菊池:夢は一般的になることですね。あの、先ほど言ったように祭りに近い形になること。夢は。で、日常の近くに当たり前にあるものになるのが夢なんですけど

川田:日常の延長戦にね

菊池:で、その意味で言うと、やっぱりアーティスト主導のフェスではなくて、自分たちがいかにその音楽で楽しむかっていうまっさらな心というか、広い心というか、何でも受け入れられるような心を我々オーディエンスだったりファンの方が持っておかないといけないんだろうなっていう気はしますね。例えば、「このバンドが好き!」「このバンドしか見ない!」っていうわけじゃなくて、「演歌も面白いね」とか、「ジャズのいいね」とかね。って重いんですけど、うん。なかなかそれは自分でやれているかどうかは…

川田:いやでもそうだな。ついつい自分もタイムテーブル発表を見て最後まで、あ、これだったら行こうとか思ってしまったり

菊池:まあそれは当然なんですよね。

川田:けど、もしかしたら初めて行く岡山の山奥っていうその環境との出会いが良かったりもしたり、いや、確かにおっしゃる通り、全然違うジャンルの魅力を感じたり、そこで仲間ができたり、ある意味で日常の延長に素晴らしい出会いが待っていると思えば、どんなフェスも楽しめますもんね。

菊池:なんかむしろ聞いたことないアーティストだったり、バンドだったりを見てほしいとは思うんですけど。それが、まあ自分がやってるかどうかは、まあ、うん(笑)

川田:僕も言いながら、本当そうだ。でも面白いなぁ。なんか今日、前回と今回でなんかそのフェスの成り立ちから、そして理想とするフェスっていうものを、僕の中では日常を忘れる場所だと思ってましたけど、おっしゃる通り、なんか日常の散歩しに行く感覚でフェスがあると、もっともっと音楽が身近になって、音楽を始める人も増えたり、それこそこの音聞-OTOGIKI-テーマでお送りしていますけど、なんか音を聞くっていうものに対して、たくさんの人が関心を持ってくれるかもなと思いましたね。この番組「OTOGIKI LAB.」って本当に始まったばっかりなんです。このプロジェクト自体は、菊池さんどう思われます?

菊池:あのやっぱり、多様性が必要だと思います。必要な時代だと思います。社会だと思います。はい。その意味でやっぱり「音聞-OTOGIKI-」っていうことが、こうボーダーレス、先ほどもあの言ってくれたように、ボーダーレスを目指していて、みんなでいろんな聞き方、いろんな聞こえ方があるよっていうことを、みんなで共有しようよということだと思うので、すごい大切なことだなと思いますね

川田:音の聞こえ方って一つじゃないんだなって、今日だけでも、フェスに行ったらどの場所に立つかとか。おっしゃったみたいなこういったイヤーマフを借りるとか、自分で買って持っていくとか、自分でカスタマイズできるのも音聞-OTOGIKI-なのかなって、今日思いましたね。

菊池:耳だけじゃなくて、例えば目だったり、足が動けないとか、いろんな人がやっぱり音楽の場、フェスの場って楽しんでいいはずなので、それをやっぱりみんなが許して…許せる場所であってほしいし、それを目指す場所であってほしいし、それが日常に戻ってくればいいなと思いますね。

川田:確かにそうですね。耳だけじゃなくて、いろんなものがね、全員がやっぱ楽しめるっていうそれぞれの楽しみ方っていうのを、なんかきっかけをボーダレスに作っていきたいですよね。いやでも今日の話はすごく面白かったです。また今後ともいろんなところで、ご一緒にいろんな音聞-OTOGIKI-の多様性を見つけるお手伝いいただけたらと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

菊池:こちらこそよろしくお願いします。

川田:そろそろお時間です。この時間のゲストは日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊池 崇さんでした。ありがとうございました。

菊池:ありがとうございました。


川田一輝がお届けしてきたOTOGIKI LAB.第5回、いかがだったでしょうか?

これはちょっとダメ元を過ぎて聞かなかったんですけど、今まだ目の前に菊池さんがいていただいてるので、ちょっと聞きたいんですけど、僕は水族館が好きなんですよ。

京都水族館のイルカの小プールがあるんですけど、その前の梅小路公園でいつもくるりおんぱく(京都音楽博覧会)やってるんですよ。くるりの音楽を聴きながらイルカがジャンプしているのがすごく好きで、だからイルカも楽しめる音とか作れるのかなって思ったんですけど、どう思いますか?

菊池:いや、イルカは聞いてると思いますけどね

川田:聞いてますよ。めちゃくちゃ聴覚が発達してるので、鳴き声でコミュニケーションをとってるんでね

菊池:うん、だから、くるりの音楽を楽しんでて、うん。すごいですね。(笑)

川田:すごいですね(笑) 困らせましたね。これ、確実に僕は困らせました。すいません。でも、いろんな多様性をね、皆さんで見つけていきたいということで、菊池さん、これに懲りずまた来てくださいね(笑)

菊池:(笑)すみません(笑)


そろそろ第5回の研究は終了です。「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」、お相手は川田一輝でした。

川田:そっか。本当にいろんなことを伺いたいなと思って、多分まず「フェスおじさん」とはのことから聞かせてください(笑)

いい名前だなと思って(笑)

ちょっと僕のオープニングがあるんですけど、そこはもうぬるっと聞き流していただきつつ(笑)

菊池:はい。しっかり聞かせていただきました。恥ずかしい(笑)


「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」へようこそ。

突然ですが、あなたは音楽は好きですか?どんな音楽が好きでしょうか。ロックが好きという方は、先日マルーン5が来日してましたね。The 1975Imagine DragonsPhoenixなんかが僕は大好きです。

K-POPやヒップホップ、ジャズや演歌、はたまた落語なんかもいいですよね。

この番組「OTOGIKI LAB.」は、そんな音楽が好きなあなたと、より音を楽しむための実験を行います・

申し遅れましたが、私音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝です。

僕が、「音楽にはまったきっかけ」ってよく聞くんですけど、自分が音楽にはまったのはいつだろう。どのアーティストなんだろうと改めて考えたんですよ。

最初に買ったCDって何だったのかな。思い返すと、親に買ってもらった初めてのCDは、当時ポケットモンスターが流行っていたので、「めざせポケモンマスター」っていうあの8cmのCD、あれを買ってもらったのが最初でした。

で、自分のお小遣いで初めて買ったCDはポルノグラフティーのベストアルバムだったんですよ。

当時2種類出てて、「青リンゴバージョン」と「赤リンゴバージョン」があるっていうベストアルバムをすごく迷って、けど、自分が見ているアニメのオープニングがいっぱい入っているから、こちらにしようと思って「青リンゴバージョン」を選んだのを覚えてます。GTOで出てた「1人の夜」とか。鋼の錬金術師で流れてた「メリッサ」とか。他には「アポロ」「サボテン」「アギハチョウ」なんかが入った、本当に夢のような1枚でした。

けど、それを買ってからね、実際にはまったのは、それらの曲じゃなくて、全く知らなかったアルバムソングの「ラビュー・ラビュー」という曲だったんですよ。これを調べたらポルノの一作目のインディーズ時代のオリジナルアルバムのアルバムソングで、本当に穏やかな陽だまりの中。まだ「好き」って言葉も伝えられてないかもしれない、すごい初々しいカップルのデートを描写した優しいかわいい曲で、こんないい曲を学校で自分だけが知ってるっていう、ちょっと優越感にも浸ってました。

そこからタワレコに行ったり、友達のお兄ちゃんにおすすめの音楽を教えてもらったりして、音楽の沼にズブズブと浸っていきました。

音楽ってね、街で流れてる音楽やSpotify、Apple Music、ラジオから流れる音楽も最高なんですけど、自分の手で探っていったり、自分の足でライブやフェスに行って聴いた音楽っていうのは、そこに思い出も乗っかってね、一生忘れられない、なんかタイムカプセルみたいなものになるんじゃないかなと思ってます。

そんな音楽の原体験から、今日はライブ、特にフェスについてお話を伺っていこうと思います。

音の作り方やアーティストの方を招いて生演奏を届けたりと、いろんな音の多様性について皆さんと一緒に考えていきましょう。

それでは、「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。


川田:さあ、今日もこの時間、ゲストの方をお迎えしています。日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊地 崇さんにお越しいただきました。こんにちは。よろしくお願いいたします

菊池:こんにちは。こちらこそよろしくお願いいたします

川田:菊池さんは「フェスおじさん」として有名だという風に伺いました(笑)

菊池:有名というか、そう呼ばれることが多いですけど、有名かどうかはちょっと「?」ですね

川田:「フェスおじさん」っていうのは一体何なんですか?

菊池:「よくフェスで見かけるおじさん」って言われはじめて、それであの…実は「おじさん図鑑」というイラスト集があったんですね。そこにおじさんの…いっぱいイラストがあったんですよ。種類がね、そのおじさんというのが本当に飲み屋さんで飲んでいるおじさんとか、競馬場にいるようなおじさんとか、いわゆる本当に昭和のおじさんの図鑑だったんですけど、そこに僕らしい人が、フェスでよく見かけるおじさんというので、載っていて(笑)

川田:自分じゃないか!と。菊池さんが(笑)

菊池:(笑) それでそこから「『フェスおじさん』じゃん!やっぱり!」みたいなことが周りで言われて、そこからですね

川田:なるほど。「あれが噂のフェスおじさん」だと、菊池さん。そもそもそのフェスでよく見かけられていたというのは、フェスによく遊びに行ってたんですか?

菊池:あの僕、本職というか仕事が編集とライターなんですね。

川田:あ、雑誌の編集

菊池:それで、ずっとフェスを追いかけてたというか、その取材と趣味と遊びとをすべてひっくるめてよくフェスに行っていて、それでよく見かけられるようになったんだと思いますけど

川田:そっか仕事で行っていて、でも年に何本ぐらいライブとかフェス行ってたんですか?

菊池:その当時、今もそんなに変わらない…。あ、ライブは今ちょっと少なくなったんですけれども、フェスは20本ぐらいで、ライブがその当時多分百本ぐらいは

川田:そんなに!1月で10本以上ライブやフェスに行っているってことですよね。

菊池:そうですね

川田:かなりですね。へぇ~。そんな…ごめんなさい。今日、「フェスおじさんの菊池さん」と呼ばせてもらいますが、フェスおじさんの菊池さんの初めて、その音楽にはまったきっかけ、初めて買ったCDとかってあったりするんですか?

菊池:CDは覚えてないですけど、僕の時代はもうレコードなので

川田:そっか あぁ、そうだ、レコード。初めて買ったのって覚えてます?

菊池:たぶんね、フィンガー5かな、さっき言われて思い出したのが。フィンガー5の…。

川田:マイケル・ジャクソンがいたフィンガー5

菊池:違う(笑)じゃない、違う。(笑)

川田:あっちの日本版の、あ、そうかジャクソン5じゃなくて、フィンガー5だ!

菊池:沖縄の5人兄弟のユニットがあって、うーんなんだっけぇタイトイルを忘れちゃったなあ。多分最初に買ったやつなんですけど、ちっちゃな頃で、ちょっと音楽が、すごい好きでいたのはね、ザ・フォーク・クルセイダーズかな

川田:僕、すみません。世代じゃなくて、ちょっと勉強不足なんですが、フォークなんですか?

菊池:フォークですね。あの加藤和彦さんがいたユニットで、「オラは死んじまっただ(『帰って来たヨッパライ』の歌詞)」たという歌があったんですよ。それが子供心によく好きだったんですけれども、

川田:渋い感じですけどね

菊池:ちょうどまあ、なんかあんまりこんな話を言うと、自分史みたくなって嫌なんですけど、父親が亡くなった時で。それをなんか。そういうこともあって歌ってたらしくて、で、母親から「それだけは歌うな」ってよく怒られてて、怒られるとやりたくなるじゃないですか、子供って

川田:複雑なもんですよね

菊池:それで歌って、そのレコードを買ってくれとかっていうのを、せがんだっていう記憶はありますね

川田:へぇ~あ、じゃあ自分の色で強烈な体験と結びついてるんですね

菊池:うんうん。多分

川田:そこから音楽が好きな10代を過ごし…?

菊池:10代の頃は70年代なので、もう、イギリス、アメリカがロック全盛期だったので、もうそこから洋楽好きが始まったっていう感じですね。

川田:で、そこから雑誌の編集者として、それは音楽記事を書いていたんですか?

菊池:いや。今も「DEAL」って、フリーペーパーがあるんですけれども、基本的にはカルチャー系の雑誌に入ってたので、音楽だけってことはないんですけど、音楽が多かったっていうライターですね

川田:他にもアウトドアとか?

菊池:そうですね。いろんな作家の方だったり、カメラマンの方だったり、絵描きだったり、そんな方々でしたね

川田:へえ、なんか気になったのは、そこからね、ライブフェスに年間百本行くって、結構体力的にも大変だし、どっぷり浸からないといけないと思うんですよ。なんか、どういった魅力に今日本ミュージックフェスティバル協会会長になられるぐらい、どこに魅力を感じたんですか?

菊池:(笑)どこだったんですかね。ただ、いろんなライブに行くにつれて、いろんなアーティストがやっぱり見たくなってきたんですよね。で、知らず知らずのうちに、なんか呼ばれれば行くみたいな

川田:フットワークが軽くなって

菊池:そうですね

川田:今のフェスシーン、今フェスが多いじゃないですか。とはまた当時と言いますか。全然違ったんですか?

菊池:80年代前半の頃、僕がちょうど大学院を出てきた80年代前半頃って、まだフェスっていう名前はなくて、野外ロックコンサートっていう名前だったんですよね。で、当時僕は高校時代から日本人のバンドだったRCサクセションが好きで、RCがちょうどブレークした後でよくRCが、それこそ西武球場だったり、いろんなところで野外ロックコンサートのヘッドライナー(フェスなどにおいて、最も注目されるメインアーティストのこと)で出るようになったんですよ。で、それを追っかけていくうちにフェスらしきものというか、いろんな音楽を聴く、いろんなバンドを聴くっていうことにはまっていったような気が、今振り返るとしますね

川田:いつからその野外ロックコンサートはフェスになったんですかね

菊池:フェスって言い始めたのは多分90年代になってからだと思いますね。で、皆さんが使うよいうになったのは、やっぱり「フジロック」からだと思いますけど

川田:やっぱりフェスって、イメージが浸透して、カルチャーになったのは、そこなんですか?

菊池:はい

川田:フジロック」って、そのできた当時、やっぱり他とは一線を画してたんですか?

菊池:あの、まずキャンプで過ごすことができるというロックフェスって他になかったので、それは当時90年代中盤後半ぐらいに野外パーティーって言われるものがあったんですけど、それはちょっとアンダーグラウンドで。「レイブ」って言われてるダンスミュージックで夜通し踊るっていうのはあったんですけれども、ロックコンサート、ロックライブではなかったので

川田:テントを持ち込んでとか

菊池:それは手段としては日本では革新的でしたね。で、多分そのかつてのロックコンサートは西武球場であったり、横浜スタジアムであったり、神宮球場でもありましたけど、かすかな記憶では自由席じゃなかったんですよね。スタンディングじゃなかったんですよね。

川田:野外で

菊池:フロアがもうちゃんと椅子があったんですよ

川田:設営は大変ですね

菊池:大変だったんですよ。で、なので、あんまり自由さがなかったし

川田:本当だ。全然今のフェスとはイメージが違いますね

菊池:だからより今よりもやっぱりライブを見るっていうのが主だったんじゃないですかね。ロックコンサートっていうのは

川田:確かに今言われてみれば、今の現代のフェスっていろんな要素が盛り込まれてますよね。なんか都会を離れて、海風とか山の中の空気を感じたいっていう人もフェス行くし、アウトドアしたい人もアウトドアギアを買って行くし。なんでしょうね。なんか、はっちゃけたい人も行きますよね

菊池:行きますね

川田:自分を解放したい人とか、うんでもなんか当初はちゃんと椅子もあって、野外で見るコンサートっていう感じだったんですね

菊池:しかも、多分それほどいわゆるその山の中とか自然のところでやるっていうことでもなかったので。夜8時とかで終わってたんじゃないかなって思いますね

川田:健全ですね

菊池:で、夜、山中湖界隈でやったのを見に行ったたことがあるんですけど、それもバスで帰ってこれてたんで、8時ぐらいで終わってたんですね。で、野外で、例えばスキー場を会場にするようなのっていうのは、ジャズフェスはやってたんですけれども、まだね、20代の「菊池フェスのお兄さん」はね、まだジャズまでは行ってなかったですよね(笑)

川田:(笑)そっかへえ~。でもなんか今とちょっと空気感が違うのがすごくわかりました。でもなんかその時に、「これは!」と思ったフェスはあったんですか?

菊池:うーんとね、1番やっぱ最初に言ったそのRCをかけて行った仙台のロックンロールオリンピックってのは面白かったし、(ロックンロール)オリンピックがあったんですよ。仙台のね、あの菅生サーキット場というところであって。仙台なので、HOUND DOGが多分ヘッドライナーだったはずなんですけど、でも、RCのことしかあんま覚えてなくて(笑)

川田:やっぱ当時はそこにぎゅっと、やっぱり普通のライブ体験とは違う、「なんだこれは!」っていう

菊池:そうですね。その野外で聞くっていうことがなかったので、菅生サーキット場なので、やっぱり自然の中で太陽だったり風を感じながらライブっていうのは、すごい新鮮な体験でしたね

川田:へえ、で逆にそこから数十年たって今のフェスにも足を運ばれているんですよね

菊池:ねえ。やめられないっすね。(笑)

川田:すごいですね。素晴らしいです。今のフェスでやっぱり大きく変わったなって、うん。菊池さんが思われるところってあるんですか?

菊池:行ってる理由の一つというか、自分のモチベーションとしてあるのは、海外、アメリカのフェスなんですけれども

川田:聞きたい!

菊池:アメリカのフェスって、親子三代で楽しんでる方が結構いらっしゃるんですよ。おじいちゃんおばあちゃんと息子世代と子供

川田:あんまりないですよね。カップルで行くとかのイメージですよね

菊池:日本だと本当、その80年代はもちろん90年代も、やっと2000年、10年ぐらいになってから親子連れが来たかなっていう、

川田:そういうコンセプトの「OAU主催でやってます」とかね、子供も来ていいですよって、フェスだったらまだしも。あんまり三世代は聞かないです。

菊池:普通ににいるんですよ。で、あのコンサートってそもそもあんまり年寄りの方、年齢いった方って来てない印象があったので。特にロックとかね。だったので、まあ自分は好きだからいつまででも行きたいなと思うのと、フェスでも、「オレが一番年寄りまで行ってやろう」みたいな感じ(笑)

川田:覚悟が来ましたよね。今(笑)

菊池:ファンとしてね(笑) スタッフとして僕より年上の人っていっぱいいるんですけど、ファンとして楽しんでる姿を見せてやろうっていうと、ちょっとあれだな、大げさだな(笑)

川田:かっこいいですね

菊池:って思ってたんですよ

川田:アメリカで三世代で楽しんでる人たちを見た時に、「あのおじいちゃんおばあちゃん、かっけえな」って

菊池:そうそう

川田:それで今も行かれて。でもその当時80年代とかの音楽、ミュージック、音楽ライブ、野外ライブとか、その(ロックンロール)オリンピック、ミュージック・ジャンボリーとは結構変わってるんじゃないかなと思ったんですよ。音楽ジャンルも変わったじゃないですか

菊池:そうですね。変わってますね。多分今の方が本当に、こういう話って、こう思い出せなくて申し訳ないことも多いんですけど、今の方がいろんな要素が入ってきてるんですね。フェス…そのカルチャーとしての要素が。すごいいろんな要素があって、前はかつてはやっぱり音楽ライブを見るっていうことが主だったような気がするんですけれども、今もやっぱりライブは中心ではあるんですけど、それ以外の様子を楽しむってことがやっぱりフェスとしての、成立かなというふうに思っていて、そんなのが好きなんですね

川田:フェス飯っていうフェスのおいしいご飯があったりとか、ライブペインティングやってたりだとか、それこそキャンプがあったりとか

菊池:あとストリートミュージシャンもいたりとか。で、前は、まあさっきの前と区別ばっかりですけど、ステージが2つとかなかったんですよね。ステージ1個がほとんどだったので、結局見て、タイムチェンジ、その転換の時に休憩して戻って、だから多分同じ席だったんでしょうけど。今だと、もういろんな会場でいろんなことが同時に行われて、いろんな、ごっちゃに混ざってるので

川田:それが選んで、選びきれない楽しみとかありますもんね。「うわ~!オーシャンステージも行きて~!」とか言いながら

菊池:で、結局見たいけど、見れないものもあったり。その楽しさが今の方が、今のフェスの方があると思いますね

川田:なるほど、じゃあこの数十年でフェスっていうのは進化してきたんですね。ざっくり何年間なんですかね、フェスって。歴史は

菊池:フジロックから言ったら25年ですけど

川田:四半世紀

菊池:その前から言ったら、まあ日本でも、40年ぐらい「中須賀フォークジャンボリー」とか。僕行ってないですけどね。それが69年とか70年なんで。その頃から考えると50年近く

川田:へぇ~、ちょっとまさかの今日はその、「フェスおじさん」に教わるフェスの歴史っていう講義になったんですけど(笑)

菊池:(笑)すみません。こんな音聞-OTOGIKI-にはないような話で

川田:いやいやいや、ここからですよ。日本ミュージックフェスティバル協会の会長されてるっていう。それは作られたんですか?菊池さんが

菊池:メディアをやってて、編集者として、ライターとして、フェスをずっと応援するって気持ちでやってたんですね。で、僕もまたライターなんですけれども、音楽ライターではなくて。フェスの記事って、フェスの記事ではあるんだけれども、ライブ評ばっかりだったんですよね。今でも多分それが多いと思うんですけど、どのライブがどの人がこんなライブやったとか

川田:こんな曲やって、オーディエンスがこう盛り上がったとか

菊池:じゃなくて、僕はその、自分たちのメディア、自分のメディアで、こういうフェスの楽しさがあるんだよ。このフェスはこういう楽しさがあるんだっていう雰囲気を伝えてたんですよ

川田:へぇ、じゃあ結構こう木じゃなくて森を紹介してたという感じなんですね

菊池:で、それでフェスをそれぞれのフェスも応援したいし、フェス全体をもう応援したいという思いでやっていて、で、ふとまあ、友人たちと話してる時に、「NPOを作ってさらになんかこう応援するスタンスを作りましょうよ!」みたいな話になって設立したという感じなんですよ

川田:それが、この日本ミュージックフェスティバル協会なんですね

菊池:はい。なんかちょっと仰々しい名前であるんですけれど、あくまでこう応援する団体で、フェスを

川田:フェス文化を支えていく応援隊ということなんですね

菊池:フェスを作るとか、フェスを自分たちでやってるとか、フェスの主催者が参加しているっていうわけではなく、「カルチャー」だったり、「文化」だったりを応援すると

川田:あくまでフェスを楽しむ1人として応援してるんですね。で、この具体的な応援がですね、めちゃくちゃ面白いので、これはですね、菊池さん次回教えてください(笑)

菊池:わかりました(笑) 長くなってすみません(笑)

川田:とてもとても楽しかったです。なんか自分が行ってるフェスっていうのが、いろんな人たちが作ってきた本当に骨子にどんどん肉付けされてできた、本当になんか面白い完成形なんだな、今後どうなるんだろうというのは、ちょっと次回の質問で聞かせていただこうと思います

お話の途中ですが、次回もまたよろしくお願いいたします。この時間のゲストは日本ミュージックフェスティバル協会会長の菊地 崇さんでした。ありがとうございました

菊池:ありがとうございました


川田一輝がお届けしてきた「OTOGIKI LAB.」第4回、いかがだったでしょうか?

いや~、フェスの歴史っていうのがすごい興味深かったですね。

当たり前のように、フェスフェスっていって、もう何でも今フェスってつけてますもんね。お魚フェスとか、弁当フェスとか、肉フェスとかね。ありますけど、「元々をたどれば」っていう話はちょっと今後、いろんな音を楽しむのにね、必要な知るべき歴史だった気がします。

けど、最近暑いじゃないですか。こっから夏フェスとかどうなっていくんだろう。そこら辺を次回聞きたいと思います。ということで、第4回の研究は以上で終了です。来週もぜひお聞きください。「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」お相手は川田一輝でした。

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」実験室へようこそ

突然ですが、あなたは音楽好きですか?どんな音楽が好きですか?ロックが好きという方はTHE BLUE HEARTSやSpitzが好き、ポップスが好きな方は…あ、僕は去年からレトロリロンというバンドとLuvという大阪の若手バンドにはまっています。

ヒップホップやジャズ、演歌や、まあなんだったら落語なんかもいいですよね。

この番組「OTOGIKI LAB.」は、そんな音が好きなあなたと音をより楽しむための実験を行う番組です。

なんと番組イベントも決定しております。今、謎に勢いがある番組として話題かもしれません。

さあ、今日も「#おとぎき」「おとぎき」はひらがなで、SNSで感想のシェアよろしくお願いいたします。

申し遅れましたが、私、音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝です。

僕も音楽が大好きで、ライブによく足を運びます。

最近見て、グッときたのが、難波のYogibo META VALLEYっていうライブハウスで見た。jo0jiのライブちょうど今、めちゃくちゃいいですよ。

jo0ji、鳥取出身の24歳で、お父さんが漁師なんですよ。で、今も漁港で働いている男性のシンガーソングライターなんですが、初めてのワンマンツアーのラストが、Yogibo META VALLEYでね。一言でいうと、圧倒的な没入感でした。

入り口に入った瞬間に、漁網が置いてあるんですよ。

実際、お父さんがサワラを獲る漁で使っている網が置いてて、一歩会場に入ったら、波の音がしてね、歌が始まるとYogibo META VALLEYって後ろに大きいビジョンモニターがあるんですが、そこで地元の鳥取の風景とかが流れるんですよ。

音自体、歌自体はすごくね、ちょっと懐かしさもありながら新しいカッコよさを持つんですが、なんていうか、本当に鳥取の海ごと連れてきたみたいな。そんな没入感があって、「うわ!いいな!」ってますます好きになりました。きっとこれも音の没入感、ライブの没入感があったことで得た音楽体験だと思うんです。

この番組は、そんな音を届けるプロをお招きして、アーティストの生演奏会場からお届けしたり、音の多様性に想像を膨らませ、「すべての人が音楽を楽しめる社会に」というテーマのもと、ゆるく楽しくおしゃべりする番組です。

何が言いたいかというと、いつかjo0jiくんも出てくれたらいいなぁ、なんて思っています。

さあ、ということで、今日もこの番組を立ち上げた方をここにお呼びしたいと思います。「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。


川田:さあ、ここからは株式会社マッシュの市川喜章さん、そして株式会社ABCフロンティアの竹嶋塁さんを招きして、お話しします。よろしくお願いします。

1回、2回と経て、なんか我々の中もぐっと近くなったんじゃないですか?なんかまさかこの番組始まる前に2人が素敵な飲み会をして、そこから生まれた番組だったとは。そこから入れてほしかったです。(笑)

一同:(笑)

川田:それぞれのお話、前回はあのが何が好きだったんでしたっけ?

竹嶋:音楽?ハイスタ(Hi-STANDARD)

川田:そうだ。ハイスタ(Hi-STANDARD)だ。ハイスタ(Hi-STANDARD)が好きで、市川さんは。

市川:T・レックス

川田:T・レックスが好きで。まあそういった音楽の話がありました。で、まあこの番組「OTOGIKI LAB.」というものも徐々に輪郭を帯びてきて、一言でいうなら竹嶋類さんなんでしょう。

竹嶋:音のバリアフリー

川田:音のバリアフリー」でございます。これがね、もう名言ですね。

でも本当になんかそういった全員が音を楽しめるものを作っていこう、ここから作っていこうというところで決まったんですが。じゃあですよ。今後「音聞-OTOGIKI-ラボ」の中でやりたいこと、今後なんか何でしょう?夢とかね。語り合う時間を今日作れたらいいなと思ったんですけど、市川さんなんかやりたいことありますか?

市川:そうですね。まずはいろんな方が少しずつ関わってくださっている方が増えてきて、まあやっぱりその方々が集える場所を作りたいというのが、これがまあこの今度のイベントもそうなんですけれども

川田:2月10日のイベントですね。(※本イベントは終了しております

市川:そうですね。まあそこからスタートして少しずつその規模を大きくしていて、まあそこにはもちろんライブがあるとは思うんですけども、やっぱりいろんな立場の方々にこう繋がっていってもらうという、まあそういうイベントを作るっていうのがまず第一かなと思っています。

川田:まずは音楽。ライブやイベント。そこでいろんな立場の仲間が増えるって、僕はめっちゃいいなと思ったんですけど、どんな仲間がこの船に乗ってほしいですか?

市川:そうですね。あのこの後、この番組の中でも、またゲストとして出てきていただきたいなという方もたくさんいらっしゃったりするんですけど。まあもちろんアーティストもそうですし、あのフェスカルチャーを、存続させていこうっていうあのNPO法人をやってらっしゃるミュージックフェスティバル協会という団体がありまして、僕もそこの一員でもあったりするんですけど。実際にイヤーマフという耳当て。

川田:耳当てですね。この音をちょっと軽減してくれるんですよね。ライブハウスで、子供の耳を守るために、結構今、耳を守る方が多いですよ。

市川:そうですね。で、そういったものを今、フェス協会でいろんなフェスに出店をして、皆さんに無償でお貸し出しするという活動をやってるんですね。で、そこでやっぱりお客様の中から生まれてくるそのお声っていうのも、非常に肉声で、やっぱりやっててよかったんだということがたくさんあったりするんで、内輪というよりは、来場者さんも含めてこうなんか交流ができるようなイベントにしていきたいなと思ってますね。

川田:なるほど、じゃあ結構ジョインしてほしい仲間になってほしい人は幅広く募集なんですね。

市川:そうですね。はい。

川田:魚屋さんとか

市川:ぜひぜひですよ。

川田:魚屋さんとか水族館知り合いいっぱいいるんでね。竹嶋さんは、なんかこう今後の夢とか。

竹嶋:そうですね。まあ「OTOGIKI LAB.」っていうタイトルがやっぱりついてるところにすべて集約されているのかなと思うんですけど、やっぱりその。いろんな仲間が、今市川さんがおっしゃったように、集まってみんなで、それこそラボですよね。実験をするという。

環境を作ることがまず1発目のゴールというか、そういうふうに思いますね。まあやっぱりそのお客さんの声はリアルにしかないとわからないアーティストもいれば、アーティストに直接質問できる場所というのがなかなかないだろうしとか。逆に、NPO法人の立場での目線とか、あとはお医者さんみたいな方とかもあり得るかもしれないですよね。耳鼻咽喉科みたいな方。とか。まあ有識者みたいに言われる、まあいろんなあらゆる業界なんですけれども、そういった人たちがざっくばらんに、座談会じゃないですけど、意見交換できるという場所。だから本当に魚屋さんっていうのも、多分考え方によってあり得るかなとか、なんかちょっと今思い浮かばないですけど(笑)

川田:僕も思いつかないまま行っちゃったので、申し訳ないなと思ってるんですけど(笑)

竹嶋:思いつかないんですけど、でもあり得るとは思う。

市川:そこもバリアフリーで、変な壁はいらないだろうということは絶対ないと思うんですよね。みんなが持ってる感覚なので聴覚は。

竹嶋:ただ逆に、なんかちょっと僕、今ごめんなさい。逆質問してもいいですか?もちろん魚屋さんの話があったんですけど、川田さんがこのMCを引き受けていただいたときに、なんで引き受けてくれたというか、あの今ちょっとそこがわかると、もしかしたら魚屋さんとか魚関係につながれるかなと、一瞬思っちゃって。

川田:断っても良かったんですか?(笑)

いやでも、まあ一つはね、その僕がすごくお世話になってて、いつか一緒に番組やりたいなって思ってたディレクターさんが突発性の難聴になっと。で音の聞こえ方っていうのを初めて意識して、そういう番組やりたいんだよって言ってくれたので、あじゃあそれは僕ぜひやりたいですっていうのが一つ。もう一つはね、僕ちょっと夢があって、僕、日本全国の水族館に行ってるんですよね。だいたい百館ぐらい行ったんですよ。で、今YouTubeでも日本全国の水族館を結構きっちりと紹介してて、それで水族館の応援をしてるんですよね。その中で、僕は音楽と水族館が大好きだから、水族館でライブしたいなって思ってるんですよ。それは僕がじゃなくて、僕の好きなアーティストの全国を回りながらね、メモを作ってるんですよ。この水槽って、例えば山形県の加茂水族館っていうでっかいクラゲの水槽がある水族館なんですけど、その前でヒグチアイちゃんの「ココロジェリーフィッシュ」を聞いたらいいだろうなとかっていうメモをたくさん作ってて、それをいつか実現したいという夢があるんですよね。けど、それって生き物がいるんで、向こうは向こうの聴覚とか振動に弱かったりするんで、人にも生き物にも優しい音作りじゃないとできないと思うんですよ。その夢、もしかしたらここでかなうんじゃないかなと思ってて、そんな気持ちでいます。

竹嶋:ありがとうございます。ちょっと急にごめんなさい。逆質問しちゃったんですけど、今人類の幅を超えましたからね。対象が(笑)

市川:なんか今僕初めてなんで川田さんが引き受けてくれたんだろうって、なんか腑に落ちました。すごい。なんで魚好きの人がみたいな。

川田:音楽も好きなんですよ(笑)。もしかしたらそういうなんか夢がかなう場所でもあるのかなと思うんですよ。みんなのできないことができるようになる場所かもしれないし、もっとプラスアルファのできないこと、なんかそのやりたいことがかなう音で、技術でっていう、それが「音聞-OTOGIKI-ラボ」かもなっていう意味で僕はワクワクして、ここに座ってます。ありがとうございます。

竹嶋:あの、本当に魚の、さっきあの嫌な音で逃げちゃうとか、その辺って、あの僕がライブをやってる立場からすると、結構あるんですよ。あの野外のフェスとがやるときに、例えば近くに牧場があったりとか、なんかそういう農業公園みたいなところでやる時に、もう馬とか居させられないから、ちょっとあのフェスの間はどっかに移送して、とか。だからそういった対動物みたいなところもやっぱ言われるんですよね。その会場側から、だから水族館とかでライブをやる時も、多分水族館側の立場でいろいろと魚に対しての、音に関する多分、あの要望とか注文というのは多分出てくるはずだと思うんですよね。

川田:音って振動なんでね、水の方が伝わるんですよね。

竹嶋:そうだから本当に今改めて、身近に当たり前にやってたことを思い出させてもらうことになったんですけど、やっぱそうですね。音って、やっぱり人類を超えるというか、うん。うん。川田さんが今ここにいる理由っていうのがなんかすごくありがたくなった。

川田:いや、うれしいです。じゃあ、1回目2回目はどんな目で見られてたんだろう(笑)

なんでいいんだろうこの人っていう。(笑)

一同:(笑)

川田:でも、あの、僕の知り合いがね、どこの場所とか言わないんですけど、あの養殖場をしてるんですよ。海の上の海上の養殖で、その近くで毎年花火大会があるんですよね。で、魚って急な大きい音と急な振動にめちゃくちゃ弱いんですよ。それがあった瞬間にびっくりして、ピョンって、トップスピードで走って、ぶつかって首がボキッと折れて死んじゃったりするんですよ。だから毎年花火大会でめちゃくちゃダメージを受けるんですって。で、最近、光を通さない網みたいな養殖の網が開発されたんですよ。で、それを見て僕は、「ああ、花火大会の近くの養殖場が救われる!」って思ったんですよね。これどことは言わないですし、全部がそうではないと言いますが、ただ音って多分まだ解決してないと思うんですよ。「音聞-OTOGIKI-ラボ」の先に、もしかしたら音楽市場だけじゃなく、みんながおいしく食べる魚とかも、ちょっと安くなったりするんじゃないかなって思ったりしてます。

竹嶋:でもそうですね。今その花火大会に影響を受けないように網が開発されたみたいな流れと一緒ですよね。我々もね、お客さんに対して、何かしら網に代わるものを何か開発して、で提供できれば、それは人間にとってもすごく過ごしやすい音楽環境が作り上げられるなって思ったので、本当に魚屋さんを呼ぶことは全然遠い話じゃないかっていう。

川田:ぜひこれを聞いてる魚屋さんがいたら、あなたの力が必要です。ぜひ加わってください。イベントも遊びに来てください。

やあ、ということでね、3回にわたってお話を聞きましたけども、いや、なんかこう決起会みたいな3回できて、僕はすごい楽しかったですね。市川さん。

市川:そうですね。こうやって話してて、やっぱりああ、こう、やっててよかったっていうか、まだこれからなんですけど、まああのよかったなって、すごい思うことがたくさんあってね、やっぱりあの今日確信に変わったのは本当にあのいろんな人とやっぱり喋って、いろんな人と仲間になっていきたいって思っています。で、その先に川田さんが何回か前のところでおっしゃってましたけど、あの今は音、聴覚っていうところから入ってるんですけど、これが五感に広がっていくっていうか、いろんな感覚のところに気づきを与えられるような、そういうプロジェクトにどんどん拡大していきたいっていうふうに思っています。

川田:夢は広がりますね。本当に。じゃあいろいろこれからどんどん発展していくっていうことで、皆さんにはその0から聞いていただいている引き続き応援をしていただけたらと思います。この時間のゲストは株式会社マッシュの市川紀章さん、そして株式会社ABCフロンティアの竹嶋塁さんでした。ありがとうございました。

市川・竹嶋:ありがとうございました。


川田一輝がお届けしてきた「OTOGIKI LAB.」第3回、いかがだったでしょうか?

さあ、そして番組のイベントも決定しています。2月10日月曜日、夕方6時半から大阪福島にあるPub SHOCKSにて、ゲストにビューティフルハミングバードをお迎えし、トークあり、生演奏ありのイベントを行います。

川田:先ほどね、市川さんがお話しされてた通り、ここに来てくださる方はお客さんであり、参加者・仲間ですよね。

市川:そうですね。はい。

川田:でも、そこまで言うとなんか、荷が重いというか、ふらっと来れない気がしたんですけど、でも、ふらっと来てもいいですよね。

市川:はい。仲間じゃなくても大丈夫です!

川田:なんかどんな感じなのかなとかね。それに「ビューティフルハミングバード」さんのライブ、とっても素敵なんで遊びに来て、僕川田一輝ともふらっと乾杯しに来てもらえたらうれしいなと思います。

繰り返し言いますけども、2月10日月曜日、夕方6時半大阪福島のPub SHOCKS

最初のイベントなんで、本当に来てください。これがどうなるかね。我々が一番ドキドキしていますよね。

どうします?

このイベント始まって、ビューティフルハミングバードさんと同じ人数だったらお客さん2人だったら。

市川:そこからまた頑張ります。

川田:そうですよね。そうだそうだ、0からスタートですので、皆さんねぜひこのスタートを一緒に楽しんでもらえたらと思いますということで、次回も楽しく音の実験をしてまいりましょう。「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」など、お相手は川田一輝でした。

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」の実験へようこそ

突然ですが、あなたは 音楽 好きですか?音楽は一体どんなジャンルが好きですか?

ロックが好きな方は、「Queen」や「The Rolling Stones」が好きです。

ポップスは「エド・シーラン」が好きという方も多いですよね。

僕は最近「TOMOO」というシンガーソングライターが好きで応援しているんです。

Hip-HopやJAZZ、演歌、まぁなんだったら、落語なんかもいいですよね。

この番組「OTOGIKI LAB.」は、そんな音が好きなあなたと音をより楽しむための実験を行う番組です。

なんとなんと、前回の初回にして早速番組イベントが決まりました~!勢いがある~!

聞いてくれた皆さんの反響のおかげかもしれません。ぜひ今回も「#おとぎき」、ひらがなで「#おとぎき」でシェアもよろしくお願いします。(X・Instagramでシェアをお願いいたします)

申し遅れました。私、音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝です。

僕自身も音楽にまつわる仕事をしていまして、「さかなのおにいさん かわちゃん」という名前で「シナぷしゅ」という子供向け番組でね、魚ソングを作って歌って、アニメの絵を書いています。

現在、五大都市ツアーのライブの最中でして、大阪・札幌・愛知、飛んで東京各会場に、親子4,000人くらい見に来てくれるんですよ。

それでね、面白いのはね。目の前で反応を見ているとね。子供ってめちゃくちゃ正直なんですよ。

目の前でね、すぐに飽きた顔が出るんですよ。「ああ、飽きた!」って、子供って6秒に1回何か変化をつけて惹きつけないとダメなんですよね。

僕が作っている曲で一番大事にしたいのは、急な「無音」なんですよ。子供って、うわーってしゃべっていくと飽きるので、「それでさ。・・・(どて!)」みたいな。この「・・・」ならない時間がめちゃくちゃ大事だっていう引き算の大切さを、今僕は2歳児たちから学んでいます。

今日もそんな音についての裏話。この番組は音を届けるプロをお招きしたり、アーティストの生演奏を会場から届けたりと、音の多様性に想像を膨らませて、「すべての人が音楽を楽しめる社会に」というテーマのもと、ゆるく楽しくお送りいたします。今日もこの番組を立ち上げたゲストをこの後お呼びいたしましょう。「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。


川田:ということで、今日もゲストに来てくれたのは株式会社マッシュの市川喜章さん、そして株式会社ABCフロンティアの竹嶋塁さんです。よろしくお願いします。

市川・竹嶋:よろしくお願いいたします。

川田:前回わかったのは、市川さんは「めんそーれ市川」として、沖縄でラジオをやっていたそうなんですよ。いい声ですね。

市川:ありがとうございます。

川田:うわ、ちょっと出た!いい声が出ましたね。そして竹嶋さんは「スパルタン竹嶋」として走っていると。

竹嶋:そうですね。はい。

川田:「スパルタンレース」ですか?はい、走っているという話がありましたけど、その聞くのを忘れていたんですけど、お2人の好きな音楽とかアーティストとか、ちょっと聞きたくて。竹嶋さんはどんなアーティストが好きなんですか?

竹嶋:そうですね。まあ、どんなアーティストって、一つに絞られると結構難しいなあって、いつも思いつつ、好きになったものが好きみたいなタイプではあるんですけど。まあ、学生時代を振り返ると、中学生の時は「ハイスタ(Hi-STANDARD)」を聞いていたし。

川田:青春ですね。

竹嶋:大学ではヒップホップやレゲェを聴いていたし、まあJ-POPはもちろん幅広く聞いていたんですけど、一つ青春の上げろと言ったら、「ハイスタ(Hi-STANDARD)」かなとか、そんなところではありますね。

川田:ハイスタ(Hi-STANDARD)」の時代っていうのはありましたもんね。みんなね。市川さんは?

市川:僕はね、ちょっとマニアックなんですけど。バンドを高校の時からやってたんですけど、その時の自分のルーツは「20th century boys DX」なんですね。まああの、グラムロックというジャンルになるんですけど、

川田:Tシャツを着ている人がめっちゃ多いやつですよね。

市川:あ、そうですね。はい。そこからすべての音楽が始まったって感じですね。はい。

川田:何のパートをやってたんですか?

市川:僕ベースでした。

川田:ベースっぽい!

市川:そうですか?

川田:なんかちょっと皆さんのイメージではどんどん「休日課長」みたいな感じで (笑)

市川:仕事しなそうなって?(笑)

川田:そういうイメージが作られていく感じがすると思うんですけども、まあ前回、この「音聞-OTOGIKI-」とはっていうところを聞きました。改めて竹嶋さん、あの「音聞-OTOGIKI-」ってどんな番組でしょうか?「OTOGIKI LAB.」とは。

竹嶋:そうですね。音の可能性をとにかく追求していきたいというところがあります。音の聞こえ方っていうのは、人それぞれ10人いたら10通りあると思いますので、「あなたにとっての音」みたいなところを、まあ、それなんて言うんですかね。「きき心地のいい音」っていうものを我々の方で実験しながら、みんながみんな同じ音楽を聞くにしても、聞こえ方が違うにしても、みんなハッピーに「音」っていうものが聞こえるような環境が作れたらいいかなっていうふうに思っています。まあ、「音のバリアフリー」というところを

川田:一言で言うとそうですよね。

市川:また言ってる(笑)

川田:前回名言を残していただいて、竹嶋さんから「音のバリアフリー」を目指す。どんな方、聴覚に例えば障害がある方や病気があったり、そういった方でも場所を選ばず、いろんな音の楽しみ方ができる、音の多様性を追求する番組だと。なんかその意味では、音楽からヒントを得ることって、竹嶋さんあったんですか?

竹嶋:音楽からヒントというよりかは、アーティストからヒントを得たことがあって、例えば、もう昨年一昨年になるのかな。お亡くなりになってしまったんですが、演歌歌手の八代亜紀さん。

川田:八代亜紀さん。

竹嶋:八代亜紀さんとちょっと音について何か話をする場にいたんですね。音ってアーティストにとっては絶対的に必要という言い方は変ですけど、絶対に大切な部分。あと耳というところは切っても切り離せないよね。耳が聞こえなくなってしまうと、声も音も発することもできなくなってしまうみたいなところがあるので、音と耳についてちょっと話したことがあって。ただ八代さんがおっしゃっていたのが、すごく印象的だったのが、「子供の頃ね、朝目覚めたら台所の方から何かわからないけれども、まな板をトントントントンというふうに叩く音が聞こえてくる」と。(包丁をたたく音)

もうその時点で、まな板を叩く音だけで朝ごはんが作られてるとか、お味噌汁のネギを切ってるんじゃないとか。あと、水が沸騰する音とかを聞くだけで、もう一つの映像が想像できるじゃないか。音って映像も想像できるし、匂いも想像できるし、そういったものなんだよね。(料理をする効果音)

だからこそ音と耳というのは絶対に必要だし、アーティストにとってはもしかしたら耳は命の次に大切なものかもしれないよね。みたいなことを、おっしゃっていただいたことがあって。

川田:めちゃくちゃいいお話で、今話を聞いているだけでもお味噌汁の香りがしましたもんね。

市川:しましたね。

川田:トントントントン、ピュー!って音が鳴る、ね。沸騰したやかんの音とかも聞こえた!

竹嶋:そうなんですよね。それを聞いたときに、まあその流れで、市川さんといろんな話をしていくんですけれども。やっぱり音と耳というのは、やっぱりそういった意味でも、何か僕らでできることというのは、やっていかないと、いけないんだな。っていうふうに思えた、きっかけの一つだったというところですね。

川田:今の話って、その八代亜紀さんとかメジャーアーティストとか音楽家だけじゃなくて、僕たち日常を生きる一般人たちも耳とか音楽というのは、なんかこう結びついているわけなんですね。確かに自分の大切な思い出にもそんな耳が、なんか関係してたっていうのは、ハッとさせられましたね。そういう意味ではこの「OTOGIKI LAB.」で追求しようとしている「音のバリアフリー」というのは、すごく意義のあるものに市川さんは思ったんですけど。

市川:そうですね。ともすると「自分だけなのかも」みたいな。医学的根拠がない症状というのは、たくさんいろいろ調べていくとあって。なかなか、僕は性格的にカミングアウトしちゃうんですけど

川田:聴覚過敏だったね話がありました。

市川:はい。独特なそのここの部分だけとか、例えば、全然普段は健常なんだけど、なんかある環境に行くと、急に聞こえなくなるとか。

川田:緊張するとか。あるかも。

市川:そうですね。なんかそういう心理的要因みたいなのも多分に含まれていると思うんですけれども、そういうところのまあ竹嶋さんがバリアフリーって言ってるのは、やっぱり目に見えない部分だと思っていて、なんかそういうことの思いをこういつもお酒飲みながら、2人で喋ってて、「じゃあ、このプロジェクトの名前何にしようか」っていう話をした時に、何て言う名前?ってなった時に、竹嶋さんがずっと喋ってたキーワードをそのまま取って、じゃあ音と耳、音と聞く「音聞-OTOGIKI-」だよね、みたいな話で、名前がついたっていう感じなんですよね。

川田:へぇ。そんな素敵な話するんですか?飲みながら

市川:うざいですよね(笑)

川田:なんか健全な飲み会ですね。僕の知ってる飲み会とはまた違うので、入れていただきたいなと思ったんですけど、じゃあ具体的に一体何からしていきましょうかね。なんか今竹嶋さんの中で、ビジョンというか、こんなことを具体的にやろうみたいなのはあるんですか?

竹嶋:うん。やっぱりなかなか難しい課題だなっていうのは、思ってるんで。ラフにこんなPodcastから始めていこうっていうのもその一つなんですけど、まずはこういう思いを僕らは持っています。ということからまず伝えていく必要があるなと。

で、具体的にはどんなことをやるんですかって、まあそこを漠然となってるかもしれませんけど、こういうことを考えてる人たちがいる、こういうことを考えてるアーティストがいる、みたいなところをまず、伝えていくことで、その先があるんじゃないかなって思っているので、だからやりたいこととか目指したいところっていうのはいろいろあるんですけど、やっぱりまずは「音聞-OTOGIKI-」っていうプロジェクトを知ってるっていうところ。

川田:まずそのお二人が「居酒屋」で話していたこの話が、なんかもっともっとたくさんの人を巻き込めたらってことですよね。

竹嶋:そうですね。

川田:確かに今のお二人の話を聞いて、「あ、自分もそうだったんだ」って思った方もいらっしゃるかもしれないですよね。なんか、「あの時聞こえなくなったな」とか、ライブ会場で「自分だけ聞こえない」と思ってたり、「自分だけ耳が痛い」と思ってたのは、「1人じゃなかったんだ」って、それだけでも救われたりしますもんね。まあ、そういった人たちと、ある意味、「音のバリアフリー」の未来を一緒に作っていくっていうのが「OTOGIKI LAB.」かもしれません。

竹嶋:そうですね。あの、本当におっしゃる通り、一緒に作っていきたいなっていうふうに思ってます。

川田:一緒に作っていくっていうことでね、今回はこれ、原稿があるんですけどね、僕もね、オープニングトークね、まあもう一言も聞いてないんですよね。(笑)

僕もこれ、一生懸命作ってるので、聞いてるあなたもぜひね、参加していただいて、「#おとぎき」で一緒にね、感想を交えながら作っていけたらと思います。まあ、ちょっと今後やりたいことっていうワードもあったので、次回はそこらへん、「夢」とか話し合う時間にしましょう。

ということで、この時間のゲストは株式会社マッシュの市川紀章さん、そして株式会社ABCフロンティアの竹嶋塁さんでした。


川田一輝がお送りしてきた「OTOGIKI LAB.」第2回、いかがだったでしょうか?

八代亜紀さんのお話がすごい刺さりましたね。

確かに、自分がそろそろ起きようかなと思っている時にね、台所の方からトントントントントントントンと包丁で刻む「ネギ」の音で、なんかこう「ああ、お味噌汁の香り」っていう、浮かぶっていう五感っていいますけど、すべての感覚が大事なんだなっていうのを改めて思いました。「OTOGIKI LAB.」が目指す未来っていうのは、本当にみんなの幸せにつながっているのかもしれませんね。で、特に音楽好きなあなたに聞いてほしい「OTOGIKI LAB.」、早速ですが、番組のイベントが決定しています。

2月10日の月曜日、夕方6時半から「大阪福島」にある「Pub SHOCKS」にて、ゲストに「ビューティフルハミングバード」をお迎えし、トークあり、生演奏あり、そういった内容を予定しております。(※本イベントは終了しています

前回わかったのは、竹嶋さん、まだ深くは決まってないということですね。

竹嶋:そうですね。本当にここで気づいてよかったですね。

川田:よかったですね。あの、本当にね、まだね、決まってるようで決まってない番組なんで、あのチケットのね、前回販売方法がわからなかったっていうね。

でも、これね、朗報です。僕、Pub SHOCKSに行ったことがあります。(笑)

めちゃくちゃおしゃれですよ。市川さんのおしゃれなメガネの雰囲気がありますよ。

なので、真っ白な雰囲気でね、福島の駅を降りて、まあ数分ですよね。3分ぐらいのところなんですけど、ちょっと入ったところにおしゃれなビルがあって、トントントントンと階段を登っていくと、すごいね。真っ白なフロアなんですよね。で、結構オーナーの方もDJをされていたり、「フジロック」にも以前出てらっしゃったりと、結構音楽にゆかりのある方が遊びに来る場所で、ここでのライブっていうのは結構、なんて言うのかな。カルチャーにつながっていると思いましたね。

市川さんはどんな日にしたいと思っていますか?

市川:そうですね。あのまあ、あえてこういうスペースを選んでいるというのは、あんまりこうライブライブしたいわけでもなく、お客さんもアーティストも我々も含めて、冒頭からの話のように、みんなでいろんな気づきを得ていくみたいな。そういう場にしたいと思っているので、まああのなんか仲良くみんなで飲みながら、「こういう音もあるんだね」みたいなことを気づいていく、みたいなアットホームなイベントにしたいなというふうに思っていますね。

川田:まあ席も50席ほどなので、そういった意味でも本当に近い距離で癒しの音楽を楽しんでいただける、そしてみんなで音について考えられるっていう、なんかライブというか座談会というか、なんかこのPodcastにみんなが参加するみたいな。なんかそんな雰囲気があるかもしれませんね。

市川:なんかハブになってくれて、来てもらった方同士がまたそこでいろいろ話が弾んだりとか、そういう場にできたらいいかなって思っています。

川田:確かに気軽に僕、川田一輝も当日司会で行くので、気軽に声をかけてもらって、こういったアーティストの人を呼んでほしいとか、こんな話をしてほしいと直接言ってもらってもいいですね。あれは作らないですか?こういうイベント、よくあるじゃないですか?

番組オリジナルカクテル!イベント当日限定の…

やめましょうかね(笑)

あんまり盛り上がらない感じだったんだね。うん。まあ何があるか当日来ていただいてからの正しいということで、2月10日月曜日夕方6時半から大阪福島の「Pub SHOCKS」にて新たなお越しをお待ちしています。

ということで、また次回お会いしましょう。「ABCラジオポッドキャスト OTOGIKI LAB.」、お相手は川田一輝でした。

「ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.」へようこそ。

突然ですが、あなたは音楽好きですか?例えば、どんな音楽が好きなんでしょうか?

ロックが好きな方でしたら、Beatlesとかレッチリ(Red Hot Chili Peppers)とか。

ポップス好きな方は、最近藤井風さんが好きな方は多いですよね。僕はずっとキリンジが大好きなんです。

ヒップホップやジャズ、演歌や、まあなんだったら落語なんかもいいですよね。

この番組「OTOGIKI LAB.」は、そんな音が好きなあなたとより音を楽しむための実験を行う番組です。

申し遅れました。私、音聞-OTOGIKI-ナビゲーターの川田一輝です。実は僕も音楽にまつわる仕事をしています。

一つは歌手なんです。ちょっと僕の代表曲を一節歌わせていただきます。

~♪~

たってすわってタチウオ

ばんざい!

たってすわってタチウオ

イェイイェイ!

たってすわってタチウオ

ばんざい!

ギラギラは

マニキュアにつかうんです

~♪~

はい。変な空気になりましたね。

っていうのもね、僕は子供向け番組の音楽を作って歌ってるんですよ。

シナぷしゅという番組で、「さかなのおにいさん かわちゃん」という名前でおさかなソングを作って歌い、アニメを描いたりしています。

で、もう一つがラジオDJとしてインタビュー番組もずっとしています。

今までだったらOfficial髭男dismとかゴスペラーズaikoさん、BRAHMANとかもう数え切れないたくさんのジャンルのアーティストの方々と毎週インタビューを重ねてきました。

僕も音楽が大好きな1人として、この番組では「音の楽しみ方」をプロと一緒にグッと広げていこう。音の作り方そういった話や、アーティストの方を招いて生演奏を会場から届けたりと。

音の多様性に想像を膨らませて「すべての人が音楽を楽しめる社会に」というテーマのもと。

ゆる~く楽しくおしゃべりしていこうと思います。ですので、音楽好きな方は通勤通学の途中や、あとはライブからの帰り道などで楽しんでもらえたらうれしいです。末永くお付き合いください。

ではまずは立ち上げた方々をここに呼んで、「OTOGIKI LAB.」とは何かを聞いてみましょう。「OTOGIKI LAB.」実験スタートです。


川田:では早速ゲストをお迎えしたいと思います。株式会社マッシュの市川喜章さん、そして株式会社ABCフロンティアの竹嶋塁さんです。よろしくお願いします。

市川・竹嶋:よろしくお願いします。

川田:それぞれお声いただいていいですか?

市川:はじめまして、株式会社マッシュの市川と申します。よろしくお願いいたします。そして、

竹島:はい。初めまして、ABCフロンティアの竹嶋と申します。よろしくお願いします。

川田:よろしくお願いします。今からおじさん3人が音について語り合うという素敵な時間がやってきました。市川さん、めっちゃいい声ですね。

市川:ありがとうございます。よく言われます。

川田:なんかラジオとかやってたんですか?

市川:昔ちょろっと沖縄でやってたりしました。

川田:沖縄で。

市川:はい。

川田:へぇ。そもそも市川さんは、今何のお仕事をされている方ですか?

市川:申し遅れました。私は朝日放送グループの中で、イベント会社をやっているというか、所属してまして、番組から発生するイベントもそうですし、行政・自治体とか、そういったところの堅い式典とか、そういうことから柔らかいエンタメなイベントまで、そういった企画・プロデュース、実施まで行うような会社に所属しております。

川田:ざっくり言うと、イベントを作っている人ですね。

市川:そうですね。イベント屋さんですね。

川田:そして竹嶋さんは、さっきね。ちらっと話した趣味がなんか体を動かすことですね。

竹嶋:はい。あの、ちょっとキックボクシングと筋トレをやらせていただいておりまして、皆さん、ちょっとご存知かわからないんですけれども、「スパルタンレース」

川田:何ですか?

竹嶋:世界各地で行われているんですけれども、世界最高峰の障害物レースと言われていて。

川田:そこに出てるんですか?

竹嶋:いろんなランクがあるんですけど、まだ弱小なんで1番下のレベルなんですけど、そこに出て。あの、出ることを目標に、そのために筋トレしているって感じですね。

川田:じゃあ普段は走っている竹嶋さんということで。いや、普段のお仕事は何をされている方でしょうか。

竹嶋:そうですね。普段は「ABCフロンティア」、まぁいろんなことをやってはいますけど。僕自身は、いわゆるライブエンターテイメント事業。堅く言えばですけど。音楽ライブを作ったり、チケットを売って。そうですね。チケットを売って、お金を稼ぐじゃないですけど。

川田:アーティストの支援サポート。

竹嶋:そうですね。ライブの企画、制作、運営みたいなところをやらせていただいている感じですね。

川田:なるほど。じゃあまとめると、市川さんは本当にイベント全般を作られていて、竹嶋さんはどちらかというと、イベントの中でも音楽ライブを作るところに。

竹嶋:そうですね。あの、ライブなので、ミュージカルとか落語とか、そういったものもあの。ありえるんですけれども、やっぱり1番音楽というところが多いかなっていう感じです。

川田:じゃあ、この「OTOGIKI LAB.」って、まずお聞きしたいんですけど、一体何なんですか?これ、竹嶋さん、どうでしょう。

竹嶋:ライブを僕がずっとやってきている中で、やっぱりお客さんの立場とアーティストの立場って、両方の視点で見れる立場にいるなと僕自身は思っていて。まあ、それがいい部分でもありつつ、悪い部分はないと思いますけれども、得している部分かなと思うんですけれども、その立場で見た時に、「音の聞こえ方」っていうのは、やっぱりみんなそれぞれ違うだろうなっていうふうに思ったんですね。

川田:確かに

竹嶋:うるさいと思う人もいれば、物足りないと思う人もいると思うんですよ。それぞれ、耳の状況というか。

川田:よく言いますもんね。大人は蚊が鳴く音って言いますけど、モスキート音が聞こえないとか、確かに受け取り手って結構様々な耳をしてますもんね。

竹嶋:で、なんかもううるさいからライブに行きたくないとか、まあ子供が耳、ちょっとうるさくて連れて行きづらいんで、私もちょっとライブに行けないんですとか、そういったいろんな各それぞれの環境があるなと思った時に。なんかそれぞれに合った音の聞こえ方、音量なのか音質なのかわからないんですけれども、ただそういった人たちに合わせられるような環境がライブハウスなのか、客席側で作れたらすごい面白いだろうなというか、もしかしたら革命になるんじゃないかなっていう。わかりやすく言うと、「音のバリアフリー」みたいなことができたらいいなっていうふうに

市川:そんな言葉初めて聞きましたよ。(笑)そんなかっこいい言葉(笑)

川田:かっこいい言葉が生まれました。今この瞬間に。「音のバリアフリー」。確かにそうですよね。なんかライブってみんな同じ環境にいて、もっと言うと場所によっても聞こえ方違うじゃないですか。なんかすごい重低音ばっかり聞こえる場所に座っちゃったとかもあったりして、でも、それがその人その人に合った音の聞こえ方にアジャストできたら、なんかライブ体験が変わりそうですね。

竹嶋:そうなんですよね。あとは逆もあって、今、両方の立場から見れると申し上げましたけど、アーティスト側も、もちろん自分の作った音楽・制作物に対するプライドとかこだわりとかっていうのは、もう重々わかるし、あると思うんですけれども。音を発信する側も、お客さんがどう考えているかっていうものをちゃんと理解した上で、発信する責任があるんじゃないかなというのもちょっと思ってたりはしていて、まあそこは賛同してくださる方がいるかいないか別としてなんですけど、そういったように、アーティスト側にも何かお互いが居心地のいい場所を作るっていう意識を持って、ライブに挑んでほしいし、お客さんもライブを受け止めてほしい。

川田:発信する側も、サカナクションはすごいライブの音作りにすごくこだわって、そこにお金をかけまくっているっていう話を聞いたりしますけど。すごいこのライブハウスで聞くと音がいいのに、ホールになった瞬間、音がもう飽和しちゃったりして、なんかちょっと聞こえが厳しいぞみたいなことがあったりしますもんね。市川さん。どうですか?そのライブを作られる、イベントを作られる側で、音の聞こえ方とかって結構意識したりするんですか?あの。

市川:このプロジェクトを始めるきっかけというか、なったことって、これ僕カミングアウトするんですけど、僕は聴覚過敏なんですね。

川田:聴覚過敏

市川:科学的にというか、医学的に検証っていうのはまだされてないんですけれども、いろんな音が同じ音量で聞こえてきてしまう。例えばここでこう喋っている音と声と、どこか遠くでヒソヒソ話されている声みたいなのが同じ音量で聞こえてきてしまいます。なので、これ日々非常に生活をする上で苦しんでいるっていう、これが僕の原体験で、音楽イベントをやっていく中で同じことで苦しんでいる人っているんじゃないかなとか、逆にその軟調に苦しんでいる方も然りで、そんなことを音楽イベントをきっかけにして、うまく伝えることができないかなって思っていた時に、雑談でたまたま竹嶋さんとそういうブレストみたいのをしていて、今おっしゃっていたような事を竹嶋さんもおっしゃっていたので、これなんか2人の思いを。うまく組み合わせて一つのプロジェクトを作れないかなっていうところで、始まったのがこのプロジェクトなんですね。

川田:お二人の話、お仕事もそうだし、ご自身のこともあって生まれたのがこの「OTOGIKI LAB.」なんですね。僕も実はここに今座っているのも、ずっとあの一緒にラジオでお世話になっていた方が、ラジオのディレクターの仕事の中で突発性難聴になって、自分がそんなことになると思わなかったけども。音の仕事をしている上でそれがすごくネックだった、ショックだったと。なかなか突発性難聴っていろんなアーティストの方とか有名人の方になったニュースが出ますけど、治るっていうニュースはあまり聞かない。そういった人たちが世間にもたくさんいらっしゃって、そういった方たちも音楽好きな方がいるんだから、そういった人たちに音楽の聴き方とか多様性を伝えられないかって言われて、「よっしゃちょっとそれは一肌脱ぎましょう」ということで。来たわけなんです。今のお話は僕もなんか「ハッ」とさせられましたね。一言で言うなら「音のバリアフリー」。っていう番組にしてよかったですね。(笑) 「OTOGIKI LAB.」じゃなくてね。いやでもここからラボということで、いろんな実験を通してみんなが本当に楽しめる音環境というのを作っていく。ここからイノベーションを起こしたいと思いますので、来週もぜひ、次回もよろしくお願いいたします。よろしくお願いします。

市川・竹嶋:よろしくお願いします。

川田:この時間は株式会社マッシュの市川喜章さん、そして株式会社エービーシーフロンティアの竹嶋塁さんとお話をいたしました。


さあ、川田一輝がお送りしてきたOTOGIKI LAB.第1回はいかがだったでしょうか?

いや、なんか何気なく音楽を聴いたりライブを見たりしていましたけど、確かにいろんな人が音楽を享受していて、なんかそこにはいろんな悩みがあるんだなっていうのを教えてもらった気がします。ぜひね、今後始まったばっかりですから、「こんなのをやってほしい」「こんな実験をしてほしい」とか、「この人を呼んでかわちゃんに話してほしいよ」とか、リクエストがあったら。ぜひ欲しいなとも思います。今、勝手に決めていいですか?SNSもしつぶやくとしたら「#おとぎき」そのままですけど、ひらがなにしましょうか。ハッシュタグをひらがなで「#おとぎぎき」でつぶやいていただいたのは、僕は必ず目を通しますので、今後この番組にも反映したいと思います。(※X・Instagramでの投稿でお願いいたします。)

始まったばっかということでね、まあ今後のちょっとした夢というか、まあラジオってゆくゆくリアルイベントになるっていうのがね、夢だなって思ったんですけど、なんと第1回にしてイベントが決まっています。

(拍手)

川田:パチパチじゃないんですよ。(笑)

今もう事前から決まっているけど、そんなことある?っていう(笑)

いやこちらですね、2月10日の月曜日、夕方6時半から大阪の福島にあるPub SHOCKSにて、ゲストにビューティフルハミングバードの2人を迎えて、トークあり、生演奏もありといった内容を予定しています。(※こちらのイベントは終了いたしました)

いや、これすごい楽しみなんですけど、ビューティフルハミングバードさん。僕、2013年に出たアルバムをですね、大学生の時めちゃくちゃ聴いてたんですよ。これ、なぜ今回、市川さんに来ていただいていますけど、なぜこのブッキングになったんでしょうか。

市川:そうですね。いろんな方、候補にあったんですけれども、同じようなというか、プロジェクトでお世話になっている方に「ぜひビューティフルハミングバードさんは共感していただけると思う!」っていうことで、ご紹介いただいて、で我々もあの一緒に初めて会ってお話させてもらったんですけれども、簡単に言うと、もう思いが一緒だったというか、やっぱり音に対するいろんな多様性というところは、アーティストってやっぱり自己満足の世界があったりすると思うんですけれども、やっぱりあの聞く側の耐性というか、そういったところもやっぱりアーティストも気にしていかなきゃいけないよねっていうことにすごく共感をしていただいたっていうところで、まあぜひ第1回目の(公開収録の)アーティストとして、彼らからいろんなことを発信してほしいなというふうに思いました。

川田:ビューティフルハミングバードさんの音楽はね、本当に心が洗われる、すごい癒されるお声と音楽なんです。ゆったりとした川の流れのような、なんか自分の嫌な気持ちもそのまま流れていくような音楽で、しかも、今回ね、立席50席程度のPub SHOCKSという場所でやります。で、その皆さん、きっと近いところで、それこそ音の粒を感じられるぐらいの距離感ですので、よかったらこの番組を聞いて、自分もちょっとなんか悩みがあったんだとか、自分もちょっと音の聞き方のさらなる向こう側。体感してみたいという方はですね、遊びに来ていただければうれしいです。2月10日の月曜日、夕方6時半から大阪の福島のPub SHOCKSにて、スタートいたします。チケットの問い合わせとかは…?

竹嶋:そうですね。ちょっと、えっとね、そうですよね…(笑)

川田:ぐらいまだ決まっておりません(笑) 本当に立ち上げたばかりですので、あの「#おとぎき」でまずは誰かスタッフの方がつぶやいてください。チケットのゲットの方法を。ということで、よろしいですかね。

竹嶋:はい、大丈夫です。

川田:司会は私、川田一輝です。会場にいますので、ぜひ皆さん、お会いいたしましょう。ということで、音聞-OTOGIKI-ラボ第1回の研究を終了といたします。

ABCラジオPodcast OTOGIKI LAB.お相手は川田一輝でした。